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俳句十句「ゼロ磁場」

夏蝶は中央構造線の色

夏隣鳥獣草木匂い立つ

野の書架に草木絡みついて夏

アロハ着た子どもらはみな透きとおる

南風や少女は白き布となる

民族の記憶を消していく暮春

タンバリン叩いて野へと聖五月

ゼロ磁場の薄き眠りや聖五月

瞑想の部屋に薄日の差す立夏

若鮎が身を焦がしゆく賽河原


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