マガジンのカバー画像

199
自由な形式で書かれた詩を収めています。幻想的な詩、物語的な詩、ナンセンスな詩など。
運営しているクリエイター

2024年4月の記事一覧

マルゲリータ 【詩/現代詩】

見えない矢が かたちのない速度が 光の束になって (どきゅん どきゅん) 純正の イロガミ…

汐田大輝
5か月前
75

花の下 【詩】

火曜日 満開だった 自動車整備工場の裏 市役所も知らない 名所に ことし最後の 花が咲き 壊…

汐田大輝
5か月前
80

測量 【詩】

まみやりんは 電柱に張りついたまま すれ違っていく電車を 眺めていたものだった それは ある…

汐田大輝
5か月前
75

円環 【詩/現代詩】

少しずつ 始まりに 近づいている (君もその一部なのだから) 朝になると 数知れない鳥が 空…

汐田大輝
5か月前
82

世界 【詩/ショート神話】

1. この世界がまだ クリームスープだった頃 神々の夢は かたちを持たなかった オノマトペの…

汐田大輝
5か月前
88

ケー子先生 【詩/現代詩】

僕らの州都は 地面から 3メートルは低かった 晴れの日でもうす暗く 気温は かがんだまま推移…

汐田大輝
5か月前
92

ゆでたまご 【幻想詩】

春うららかな一日 街じゅうの頭の中が ビー玉のように鳴っている おかしなすり鉢の中に入れて かき混ぜているみたいな音 春が煮え立つような一日 街じゅうの頭の中が あぶらでいっぱいになる ゆれている舟は うえへしたへと波打って 太陽の膨らんだところから とぷん とぷんと あの子のスカートに忍び込んでいく 油虫が一匹 それからはもうずっと 奇妙な音が聞こえている ベッドにころがった君のお腹の中で ハモニカが息をしている とても切なげに 上下に揺れながら あたたかなものが滲みだ

京都 【詩/現代詩】

ブリキのアパートをくぐり抜け 藪医者の表札をやり過ごせば お屋敷の並ぶ界隈 お寺も神社もな…

汐田大輝
6か月前
88