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自由な形式で書かれた詩を収めています。幻想的な詩、物語的な詩、ナンセンスな詩など。
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2024年1月の記事一覧

アラスカの犬たち 【詩】

流氷 のうえを流れる風は 少し冷たかった 数知れない空の思い出が ちぎれながら流れた 犬ど…

汐田大輝
6か月前
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空と沼 【詩/現代詩】

玄関には 清潔な 白い靴が並んでいた アパートの前には 沼があり やわらかな子どもが遊んでい…

汐田大輝
6か月前
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ジャンク 【詩】

いろいろなガラクタが あごひげを伸ばしている あけっぴろげな 倉庫です 使いものにならない …

汐田大輝
7か月前
65

倫理の時間 【詩】

リン、リン、リン リン、リン、リンリリン (むかし  そんな歌があったかな) 倫理、倫理…

汐田大輝
7か月前
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魂が濡れていく 【詩/現代詩】

魂は カタチを持たない 気配のようなもの (心理と倫理の狭間で揺れている) 真っ青な水が湧…

汐田大輝
7か月前
60

小鳥屋の少女 【詩/現代詩】

小鳥屋の娘は 小鳥にそっくりだった 朝から晩まで 小鳥に囲まれて とても楽しそうにしていたが…

汐田大輝
7か月前
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無人店舗 【詩/現代詩】

店内に 入っていくと 見られているような気がする むすうの視線に (けさ泳いだ  プールの感触を  思い出す) 空気が動いて 商品の 位置が微妙に 変化する 遠浅の波音のように 右奥の棚にすすみ 新種のベーコンを手に取ると 指先がふるえた カゴに入れると 睫毛が刺激された 床が揺れる 錯覚  (そのとき  一匹の蠅が迷い込み) 透き通った眼が 向こう側から見ている 不純物は瞬殺される 天井に 赤みがさして 室温がわずかに上昇する 呼吸が少し楽になる (商品の呟き

渚にて 【詩/現代詩】

さいはての渚に 人名が流れつく 時おり アウレリャーノとか アレクセイとか ヤマダとか 流木…

汐田大輝
7か月前
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