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観劇記録 〜ミュージカル「マリー・キュリー」〜

(観劇から数ヶ月が経過していますが記録用に)

ミュージカル「マリー・キュリー」
2023.4.22

さまざまな壁に苦しみながらも果敢に立ち向かうマリーの強さと、そんなマリーを大きな愛で支える人たちのあたたかさ。どうしたって良いことばかりではない人生の中で「自分を貫く強さ」や「愛を与え合うこと」がいかに大切なのかを考えさせられました。

マリーがたびたび口にしていた「元素には明確な名前と場所がある」が彼女の人生のテーマのように描かれていたのが印象的でした。

妻であり母であり研究者である自分が、それぞれの役目や責任に追われて押しつぶされそうになりながら「自分にも居場所があるはず、自分にも名前があるはず」と信じて前に進んでいく姿には、偉業を成し遂げたことのない私でも一人の人間として共感できるものがありました。性別・年齢・学歴といった(他にもきっといろいろある)、私たちの壁となる一種の「呪い」のようなものに縛られたままでいる必要はなくて、心から望むことや「自分なら出来る」と信じられることに出逢ったなら、大人になってからでも一歩踏み出してみてもいいのかもしれない、と勇気を貰ったりもして。

そして個人的に最も好きだなと思ったのは、単純に「偉大で心の強い女性の話」ではなく、彼女が強く生きることが出来た背景にある、彼女を愛し支えてくれた人たちとの絆がしっかり描かれていたこと。

どんなに優秀で完璧だと思われている人にだって、支えてくれる人、いつでも味方になってくれる人の存在が必要であることを改めて感じました。愛で包んでくれる存在の大きさは私自身も日々感じているので、相手にとっての自分もそうであるように努めたいなと思います。
心苦しいシーンも多かったけれど、終演後はなんだか心があったかくなっていました。

そして主演の愛希れいかさん。
宝塚時代からファンなのですが、いつ観に行っても過去最高の姿を観せてくださるなあと思っていて、今回は特に台詞も歌も用意されたものとは思えないくらい自然で情熱に溢れていて、目の前でマリーが「生きている」なと感じました。普段はなるべく一歩引いて舞台を観るようにしている私も、感情移入せずにはいられませんでした。お芝居でこんなに泣いたの、いつぶりだっただろう。下まつ毛にマスカラ塗るんじゃなかった。

キャストの皆さん一人一人の熱量が本当にすごくて、常に心が震えていました。
とっても素敵な舞台をありがとうございました。

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