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「猫を処方いたします。」読書ノート

「猫を処方いたします。」
 石田 祥


『中京こころのびょういん』は、京都の路地裏にある謎の病院を舞台にしたファンタジー小説です。この病院では、心の病を抱えた患者に対し、くつろぎながらも一風変わった医師が、驚くべき"処方"を出します。それは薬ではなく、実在する猫なのです。

患者たちは最初戸惑いながらも、決められた期間、猫と共に生活することになります。猫は気まぐれで繊細、世話が大変ですが、そのかわいらしさに次第に心を開いていきます。猫の無防備な姿や仕草に触れ、思わず微笑んでしまうような癒しのシーンが描かれています。

主人公は、パワハラに悩む若手社員、上司との確執に苦しむ中年男性、母娘関係に行き詰まりを感じる母親、完璧主義で神経質になりがちな女性デザイナー、祇園の芸妓という、それぞれ異なる立場と悩みを抱える人々です。しかし、全員に共通しているのは、猫を"服用"することで、徐々にその問題が解決へと導かれていくという点です。

最初は不思議でエキセントリックな設定に感じられますが、猫好きの読者なら非常に共感できる描写が随所に散りばめられており、ページをめくるたびに次第に物語の虜になっていきます。そして中盤以降、この病院と猫処方の驚くべき理由が明かされていきます。

最終的には、猫を介して自分自身を見つめ直し、心の隙間を埋めることができたという感動的な結末を迎えます。人と猫の温かい絆に心が躍る、誰もが胸を打たれる作品です。



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