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「赤と青とエスキース」読書ノート

「赤と青とエスキース」
 青山美智子


プロローグとエピローグの間に4つの短編が収められた連作小説集。一見すると別々の物語に見えたが、読み進めるうちにそれらがスーッと1本の線でつながり、過去と未来を行き来するループストーリーとなっている不思議な構成になっている。

中心となるのは、オーストラリア・メルボルンに留学中の日本人女子大生レイと、現地在住の日系人青年ブーとの恋愛模様。ふたりが出会ったきっかけは、ブーの画家志望の友人ジャクソンの家で、レイがエスキース(下絵)を描いたことにある。この"エスキース"がキーワードとなり、時空を超えた想いの行き来を表現するモチーフになっている。

作中には、レイとブー以外にも、ジャクソンをはじめ様々な人物が登場し、それぞれの想いが緻密かつ繊細に描かれている。一人一人の心情が丁寧に描写されており、読者の心にじわりじわりと染み渡っていく。

物語の展開は見事で、要所要所で人物や出来事がうまく繋がれ、最終的に全てが収束していく。個々の短編で起承転結がなされつつ、全体としては絶妙な構成で安心感を与えてくれる。そしてエピローグを読み終えて、作品タイトル"赤と青と"の意味も鮮やかに浮かび上がってくる。国や時代を超えて思いは繋がっており、読後には不思議で素敵な感動が残る一冊でした。



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