見出し画像

呼んで 呼ばれて

人は無意識に誰かを呼んだり、あるいは誰かに呼ばれたりしているんだと思う。今週は、そう実感する出来事が重なった。

まずは行きつけの喫茶店での話。
ランチに訪れると、久しぶりに顔を合わせる職場の上司の姿があった。この喫茶店に通うきっかけをくださった恩人のような人だ。
その方は、いつも昼は軽めに済ませるのだが、この日は珍しくわたしと同じメニュー。そして「本当は13時過ぎに来るはずだったんだけど、急に予定が変わってね」と話してくれた。

いつ会っても話題豊富な方で、この日は今とてもハマっているという俳諧の話をしてくださった。(この遊びから”花を持たせる”や”挙げ句の果てに”という慣用句が生まれているらしい、という話も)
押し付けることは一切なく、いつも新しい世界のきっかけを少し与えてくれる。そういう人なのだ。
帰りがけ、わたしの分までいつのまにか会計してくださって、颯爽と職場へ戻られた。


最近、わたしのなかに絵を描くブームが再来している。
色鉛筆やアルコールマーカーを使うアナログがわたしの好きな画法。
このブームはどうやら一過性ではなさそうだと思って先日、奮発してアルコールマーカーセットを自分にプレゼントしたところだ。

実を言えば、絵をもっともっと描きたい。
絵を描くことで収入を得られたらいいなと思っている。
まず1冊、絵本をつくることがわたしの密かな目標だ。
そんなわたしに、最近ご結婚された先輩が、お祝いのお返しとしてアルコールマーカーの40色セットを贈ってくださった。これも今週のこと。
驚きとうれしさで、ちょっと涙ぐんでしまった。

この方には時折、手前味噌のイラストをプレゼントしていたのだが、そんなわたしの趣味を覚えてくださったのかととてもうれしくて。
そして密かに抱く絵を描くことの目標を後押ししてくださった気がした。


昨日は、夫の友人たちが家へ遊びに来た。
結婚後、わたしとも親しくしてくれて、一緒にキャンプに行ったり、家族ぐるみで食事にも行く仲だ。わたしは彼らやその家族と過ごす時間が大好きで、会うといつも元気をもらえる。

そろそろまた会いたいな・・と思っていたのは夫も同じだったのかもしれない。普段は相手から誘われるのを待つタイプの夫が、珍しく友人たちに電話を掛けて企画し、昨夜に至った。
わたしも途中からだが混ぜてもらって、とても楽しい時間だった。


わたしは一人の時間をとても大切だと思っているけれど、人との時間もまた掛け替えのないものだ。わたしは不器用なので、うっかり自分ひとりでどうにかしようとしてしまう。もっともっと、周囲の人を呼んでいいのかもしれない。
わたしが相手を欲するのと同じく、時にはわたしなどでも欲している誰かがいるのだと思う。
そんなとき、来てくれる相手への感謝を忘れない。
呼ばれた時、その感謝を返す人でありたい。

そんなことを胸に、ことし残りの日々を過ごしていこう。


shiori   2020.10.3




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?