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モーニングノートの本当の効果

近頃、朝起きてすぐのわたしの頭のなかは大混乱している。

 昨夜見た夢のこと、気になっていること、思いついたこと、その他いろいろ。情報がごちゃまぜになって、脳内でポップコーンみたいにポンポン跳ねまわっている。どういう訳だか、ここ最近、いつもそうなのだ。

 放っておくと、そのうちおさまって、何がポコポコしていたのかもよくわからなくなるのだけど、分からなくなる前の微妙な状態のなかでモーニングノートに向かうと、ものすごく心地いいことがわかってきた。

 モーニングノートというのは、こちらの本で紹介されている手法のひとつだ。名前のとおり朝起きてすぐ向かうノートで、3ページなんでもいいのでひたすら綴るというもの。

 ちなみに、モーニングノートをはじめ、実際にこの本に書かれている内容に取り組んだ感想などはこちらで書きました。

 以前は、朝起きて顔を洗ったり水を飲んだり、少し体を目覚めさせてからノートに向かっていた。それはそれで効果を感じていたのだが、どうやら本当はもっとすごい力があったらしい。

 先日、寝ぼけた頭(ポップコーン状態の脳)で、すこしだるさも感じながらえいやっとノートに向かってみた。まだ暗いからか、焦点がうまく定まらず、自分が書いた字がぼやけてよく見えない。それでも、万年筆を握ってノートに突き刺せばあとは何もしなくてよかった。わたしの内側でぐねぐねと胎動する何かが勝手にペンを動かして文字を起こしていくのだ。

 本当にそれは不思議な感覚だった。文字を書いている自分を第三者の目線で見ているもう一人の自分がいる。基本的に意識下の”わたし”は、第三者の目線にいて、ただぼんやりとしているだけ。それでもペン先は立ち止まることを知らずに走っていく。
 ところが、ひとたびポップコーン状態が落ち着いてしまってからノートに向かうとそうはいかない。無駄に考えてしまって、なかなかペンが進まないのだ。

 それこそ胡散臭いと思われそうだけど、この感覚を味わってから、やはり魂というのはあるのかなと考える。あるいは直感と結びついているもの。脳科学的に言えば、フロー状態なのかもしれない。いずれにしても、”今”という時にすべての感覚を集中させている。これがものすごく気持ちいい。経験した人にしかわからないであろう、なんとも言えない爽快感があるのだ。わたしはこの感覚にすっかりハマってしまって、あっという間に寝起きですぐノートに向かうことが習慣になった。

 モーニングノートは内なる自分(先に挙げた本のなかでは”アーティストチャイルド”と呼んでいる)と対話するツール。それが具体的にどんな意味を持つのか、今まであまり考えていなかったのだが、最近の発見からすると、”今その瞬間に集中する練習”が役割の1つなのではないかと思う。

 わたしたちは情報の荒波に揉まれて過ごしている。テレビをつければ、インターネットに接続すれば、情報の洪水に思考が押し流されていく。シャットダウンしたくても、そのうねりは各所に潜んでいて、完全に逃れることは難しい。また、わたしたちは心配をしたがる生き物だと思う。特にわたし自身は起きてもない未来を不安に思う癖がある(と、最近気がついた)。次の仕事が失敗したらどうしよう、計画どおり運ばなかったらどうしよう・・・。”今この瞬間”に集中できている時間は、果たしてどのくらいあるのだろうか。

 過去のことも未来のことも、考えても仕方がないことばかり。ある程度の予測は必要かもしれないけれど、何より肝心要なのは今この時であるはずだ。

 The most important thing is to enjoy your life – to be happy – it’s all that matters.
(何より大事なのは、人生を楽しむこと。幸せを感じること、それだけです。)

 わたしの大好きな、オードリーヘップバーンの言葉だ。数年前、手帳に書いて何度も見返しては励まされた言葉。久しぶりに思い出したけれど、わたしは人生を楽しめている?幸せを感じられている?

 改めて、この言葉を心の宝箱に大切にしまって、今この瞬間を、わたしはとびきり楽しんで生きていこう。モーニングノートでその練習を重ねていこう。


2020.8.2  shiori

 


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