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32歳、子供ができない夫婦の分岐路


先日、本を読んだ。

「あなたが33歳を過ぎて妊娠できない44の理由」という、産婦人科クリニックの院長先生が書いた本だ。

妊娠しやすい食事の内容、運動方法、性生活のアドバイスまで書いてくれている。


本によると

「体外受精の妊娠率は33歳未満で40%、33歳を超えると14%にまで低下する」そうだ。

年齢が上がるにつれて妊娠率が下がるのは知っていたが

32歳の自分にとっては、あまりにもタイムリーな内容で、頭を殴られたようなショックを受けた。


私たち夫婦は、夫が数個年下の、いわゆる姉さん女房だ。

私は子供はいてもいなくてもどっちでも良いが、好きな人の子供ならば欲しいなと思っている。

夫は無類の子供好き。先輩の家にお邪魔しても、職場でも、子供に好かれ、目尻を下げて「こんなことがあったよ」と嬉しそうに話をしてくれる。

夫は「子供はいなくても、いても、詩織さんと一緒にいられるなら幸せだよ」という、模範解答のような素晴らしい言葉を、結婚当初からずっとかけてくれた。

結婚前にブライダルチェックはしたが特に問題なし。

5年間、排卵日を意識して定期的にセックスしている(レスの時期もあった)が、子供はできない。

婦人科検診も定期的に受けている。

いわゆる、「原因不明の不妊症」に分類される。

「子供、作らないの?」と色んな人に聞かれる。

「子供ができない」と答えると、『じゃあ不妊治療すれば?』と言われる。

私は、元夫と一緒に不妊治療をした経験があるが、あの時の苦しみや、とくに金銭的負担を考えると、もう一度頑張ろうとは思えない。

そんな生半可な気持ちで不妊治療するのも、本当に子供がほしい人に対して失礼だと思うし。

大金をかけて挑戦したとしても、必ず授かるわけでもない。

なにより運良く子供を授かったとしても、不妊治療でお金を使いすぎてしまってスッカラカンになったら、産まれてくる子供が可哀想だ。



「子供、できても、できなくても結婚生活は楽しいよ」

優しい夫はいつもそう言ってくれた。その言葉に甘えて生きてきた。


気づけば、夫の年齢は20代後半。

彼の友人は、全員子持ちになっていた。

SNSや実生活では、子供の話でもちきり。

子供好きな彼にとって、本当は、辛い状況だと思う。


私は32歳。不妊治療を頑張れば、まだ授かれる可能性がある年齢。

夫のことは、本当に大切だ。

彼の幸せを本当に考えるなら、きっと離婚すべきなんだろうなと思う。

別の若い子と結婚すれば、不妊治療せずとも、子供のいる生活は手に入る可能性は高いから。


深夜、コンビニから帰る途中、夫に上記の話をしてみた。

「さっきの話を聞いて、逆の立場で、もしあなたが無精子ということがわかったらどうする?きれい事は無しで」と

『詩織さんの幸せを願って、離婚すると思う』と言われた。

「私たちこれから、どうしたらいいんだろうね」と泣きながら家に帰った。

もし私達のような夫婦がいたら、このnoteを読んでくれた若い方がいたら、はやめに子供について話し合ってほしいなと思う。

私達のようにならないために。

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