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要約 『お母さんの「敏感期」 モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる』 著者 相良敦子

●ベストフレーズ

自由に自分で考えて実行したとき初めて、その行為は自分のものとなる。そして子どもは、自分の行動の主人公になることができる。 119ページより

●はじめに

本日の一冊は、日本モンテッソーリ協会の元理事で、第一人者の相良敦子氏による『お母さんの「敏感期」:モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる』です。

同じいたずらを繰り返す子どもにどう接したらよいのか?自分で生き抜く力「自立・自律」を養うにはどんな教育法が良いのか、と思う親に、モンテッソーリ教育の神髄を教えてくれる一冊です。

●本文要約

1.いたずらは「成長」のチャンス

イヤイヤ期、いたずらばかりする子ども。「いまだけ」と自分に言いきかせて怒りを抑えていませんか?むしろいたずらは「成長」のチャンスです。何かにこだわってイヤイヤしている、いたずらに集中しているときは、できること・技術を鍛えているのです。

「自立、自発」を目的とするモンテッソーリ教育では、このいやいや期やいたずらは必要な発達として捉えられています。
本書では、著者は日本モンテッソーリ教育協会(学会)の常任理事の著者が、近年新たに判明した脳科学の知識、生理学・医学・生物学をふまえて幼児教育を研究した「モンテッソーリ教育」の方法、理論の根拠を実践データに基づいて述べています。
もちろん、特別な設備や資材は必要なく、家庭にあるもので実践できる内容になっています。
この本を読めば、子どもが嫌がらず、自ら学び、生きる術を身につけるために必要なことが分かります。

将棋界の若き天才・藤井聡太さんも幼少期に受けていたことで話題のモンテッソーリ教育を自宅で実践してみましょう。

2.モンテッソーリ教育とは?

いま、「モンテッソーリ教育」が注目されています。AmazonやGoogleの創設者陣や、「アンネの日記」で知られるアンネ・フランク、日本では将棋界の若き天才・藤井聡太さんも幼少期にモンテッソーリ教育を受けていたそうです。
モンテッソーリ教育の考案者・マリア・モンテッソーリ(1870~1952)は生理学・医学・生物学をふまえ、子どもが深く集中する理由や意味を理解し、独自の教育方法を作りました。
モンテッソーリ教育には「子どもが集中して取り組める」というポイントがあります。どんなことでも良いから、深く感じて自己没入できる体験をすることが大事です。
また、いくら「早期教育」「英才教育」と早くに習い事をしても、終えるべき発達段階を飛ばして習うことはあまり効果が得られません。子どもの脳の発達段階の順序通りに発達することが重要です。
まずは子どもを観察し、その時期に適した課題に子ども自ら向き合える方法を探しましょう。
子どもが「自分でやりたい」と言い出した時期はチャンスです。日常生活のことをひとりでできることを目指しましょう。しかしできるという結果ではなく、やり遂げて喜ぶ顔を見て、一緒に喜ぶことが大切です。
子どもがいたずらを繰り返すとき、子どもの脳が成長を欲しているサインかもしれません。
同じことを何度も繰り返し、集中して作業することを子どもの脳が欲しているのです。
また、同じことを何度も繰り返した時期があったのに、あるときぱったりやめてしまうのは「敏感期」のサインです。あることへの感受性が非常に敏感になり、環境の中に見つけ出して強烈にかかわっていく特別の短い時期です。
幼児期にどんな「敏感期」があるのか、大人がよく知っておき、その時期1回きりの貴重な感受性とエネルギーを大いに活かせるように工夫することが大切です。


3.子どもの「敏感期」

子どもの「敏感期」には「秩序感」と「感覚」の2種類があります。
「秩序感の敏感期」は生後数カ月からあらわれて、2、3歳ごろをピークに、6歳にはほとんど消えます。いつも決まった順番通りでないと気が済まず、泣いたり怒ったりする時期のことです。
「感覚の敏感期」は3歳~6歳の時期に視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の感覚気管が敏感になることです。
3歳ごろにになると、自分の意志がはっきりして「自分が主人公」という強烈なエネルギーを持って行動します。
ある子どもは、自転車に乗れたことが嬉しくて、電車で20分かかる祖母の家に行ってしまったという例があります。
体を動かす喜びを存分に感じ、その後自信がついて、態度が堂々としたそうです。以前の日本ではほうっておいても同様の経験ができたのですが、現代は危険から保護する観点でも、思いっきり体の全部を使いこなす機会はありません。大人が意識して子どもが「大きな動き」をすることができる状況を作ってあげる必要があります。
指先を使うことも大切です。近頃はテレビ画面を見るだけ、キーボードを叩くだけ、ねじを巻くだけで楽しく遊べるため、指先を細かく使う機会が減っています。指先の運動能力は4歳前後に決まるため、この時期に鍛えられた機能だけが自分もものとなります。
小学生になってから、文字を書くときに筆圧が弱い子どもが多くなっています。指先に力が入らないのです。3~6歳に「折る」「切る」「貼る」「縫う」の基本技術を徹底して身につけておくことが大切です。
もう敏感期を過ぎてしまった子どもにフォローする方法はあるのか、悩む人は多いでしょう。人間は生涯にわたって、いつも何か夢中になれるものがあり、そのために情熱を傾ける時期があります。それを見逃さず、敏感期と同様に「成長のチャンス」と捉えて見守ることです。

続きは以下リンクからお読みいただけます。(残り8700文字)

4.お母さんの「敏感期」
5.「じりつ」が最終目標
6.おうちでできる、モンテッソーリ教育①
7.おうちでできる、モンテッソーリ教育②

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