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要約 『「しつけ」を科学的に分析してわかった小学生の子の学力を「ほめる・叱る」で伸ばすコツ』 著者 菊池洋匡

●ベストフレーズ

子どもが失敗をしたときに必要な対応は、怒りの感情をぶつけることではありません。「考えさせる問い」を投げかけることです。子ども自身の価値形成につながらない叱り方には、長期的に見て効果はないということを理解しておいてください。 5ページより

●はじめに

本日の一冊は、中学受験専門塾伸学会代表で、算数オリンピック銀メダリストの菊池洋匡氏の『「しつけ」を科学的に分析してわかった 小学生の子の学力を「ほめる・叱る」で伸ばすコツ』です。

「何度言っても悪い行動が直らない…」と悩んでいる保護者に向けて、科学的に正しい「しつけ」を紹介している本です。

教育心理学の理論や実験結果に裏づけられた、具体的なほめ方・叱り方がわかります。
読めばすぐにできる内容なので、感情的に叱りたくなったときの特効薬になるかもしれません。

●本文要約

1.「なんでちゃんと勉強しないの?」「なんで宿題をやらないの?」

何度言っても行動が直らず、ついには怒りが爆発…そんな経験はありませんか。
同じ原因で何度も子どもを叱っているとしたら、その叱り方に効果がないのかもしれません。子どもが何度も失敗しているとしたら、叱る側も子どもの行動を変えることに何度も失敗し続けているといえます。

もし子どもの行動を変えたいなら、子ども自身が良いこと・悪いことを判断できるような「価値基準」を与えてあげましょう。その「価値基準」を与える方法こそが「科学的に正しいほめ方・叱り方」なのです。

本書では、中学受験専門塾の代表が、教育心理学の裏づけをもとに「正しい子どものほめ方・叱り方」を紹介しています。「なんで〇〇していないの?」という叱り方はありがちですが、この叱り方では、子どもが「自分が責められている」と感じるだけで、行動は変わりません。「〇〇できなかった理由はなんだろうね?」と問いかけて、自分で原因を考えさせると、子どもは理想の姿に近づくために行動を変えられるようになります。このように、具体的な声かけの方法が書かれているのが、本書の特徴です。

小学生の子の学力アップに関する内容がメインですが、子どもの年齢にかかわらず子育て中の方、仕事で部下の指導に悩んでいる方なども参考になるでしょう。

2.子どもが自分に対して「良いイメージ」を持てるようにする方法

人間は、イメージに引きずられて物事を判断し、決めます。そのため、子どもが自分に対して「良いイメージ」を持てるようにサポートすることが大切です。自分のイメージを傷つけないためには、悪い行動をさせる”悪役”を設定して、子どもの人格と切り離すようにするのがコツです。
人間には本能的な「1階の脳」と理性的な「2階の脳」があり、子どもは「2階の脳」が未熟です。子どもにたくさん話をさせることで、2階の脳を鍛えることができます。「なぜ?」「何?」といった質問で、子どもの思考を引き出すのも効果的です。

また、やる気には「外から与えられるやる気」と「内から湧き出るやる気」があります。内からのやる気は
①自分で決める
②他人の役に立つ
③「できる」と思える
の3つに分けられます。内からのやる気を引き出すには、なるべく自分で決めさせて、話をよく聞き、実力にあった課題を与えることが大切です。
そして、子どもの考え方は、親の声かけで決まるといっても過言ではありません。努力をほめると失敗から学ぶ意識を持つことができます。一方「賢い」など能力をほめると、失敗したとき、自分の能力に悲観的になってしまうため注意が必要です。

特に、怒りにまかせた対応は、問題の解決につながりません。怒りの感情がわいたら、そのまま行動せず、まずは時間を稼ぐことが大切です。冷静になれたら、怒りの裏にある本当の感情を見つめましょう。根本の原因になっている自分の思いと向き合うことで、問題解決につながります。「1on1トーク」は子どもの考えを整理するのに効果的です。自分の行動をGood(良かったこと)、Bad(悪かったこと)、Next(次にすること)のフレームワークで振り返ることで、子どもが自分で考え、成長することにつながります。

3.自分に対する「イメージ」が子どもを勉強好きにする

「できる子はお母さんに叱られたことがない」という話は聞いたことがあるでしょうか?いつも子どもに怒ってばかりのお母さんは、「きっと叱る必要がないくらい良い子だったんだろう」と思いがちです。しかし、考えてみてください。世の中に完璧な子どもなどいるでしょうか。では違いは何か?それは伝え方の違いです。 26,27ページより

人は行動のほとんど(95~99%)を無意識に決めています。
ハーバード大学の心理学者の実験では、自分に対するイメージが成績に影響を与えることがわかっています。
子どもが勉強好きになってほしいなら、

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