心の花2024年8月号
お久しぶりです。生きています。
8月号に載せてもらった分です。
生姜一欠(かけ)余つてしまふ単純なレシピと具材の夕餉のはずが
手に余る業務と減りゆく卵細胞 待てるだらうか産婦人科に
待合のモニターに「緊急分娩が入つてゐます」やがて足音
白百合が咲きましたまだ一片の傷も破れもなく香りたり
白百合の雄蕊雌蕊を摘み取りて不妊専門クリニック選ぶ
一応連作の形をとってみた。不妊治療の話題は、歌壇の歴史の中でも様々に詠まれてきただろうし、ありきたりな表現にしかならないかもしれない。それでも私は私なりの経験や感情で歌を残していけたらと思っている。不妊治療、めちゃくちゃ精神を揺さぶられるので……(歌の種になるなという顔)
最近迷っているのはこのまま旧カナで続けるか、ケースバイケースで新カナにしていくか。8月の月詠は新カナにしたけれど果たして。