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推しが卒業した日のこと

今回も無駄に長い。

モーニング娘。’21から佐藤優樹が卒業して、もう随分と経った。
卒業前日にクソ重noteを放置して、気がつけば時折読んでいただけていることは、素直に嬉しい。
ありがとうございます。
さて、もう2023年4月まで時が進んだ結果、なんと佐藤優樹はソロデビューしている世界線になった。
7形態もあるCDに目をひん剥きながら購入し、シリイベの当選を祈る気持ちで、あの日の続きの話を書かせていただこうと思う。
地方からゴールデンウィーク明けの平日のバーイベは難しいので、シリイベに全力投球。当たるといいなぁ。
オリコンウィークリー4位おめでとう。

7形態って何?????

さて、2021年12月の話を今更しようと思う。
コロナ禍でなかなか現場に参戦ができない中、忠誠心篤くファンクラブの年会費を支払う事2年(私はこれを虚無と呼んでいる)、見事奇跡的に佐藤優樹の卒業コンサートのチケットを掴み取ることが出来た。
当選の二文字を見た時は体が文字通り震えた。仕事の休みをなんとかもぎ取り、推しのアイドル最初の日と最後の日に立ち会える幸運を噛み締めた。
私は怒涛の月初業務を終え、這々の体で荷造りを始めた。
コンサート当日は月曜なので、久しぶりの東京ということもあって、日曜に東京入りし友人と会ったり他の催し物を覗きに行くつもりだった。
東京の現場に行く時は値段の関係から早朝の飛行機で、地元の駅を出るのはほぼ始発だ。
社会人の限界オタクは余裕を持って荷造りなどできないので、土曜の夜にあたふたと準備を始めた。
身の回りの物をあらかた詰めて、最後に命より大事なチケットを鞄に入れれば完了だ。ギリギリ日付が変わる前には寝られそう。
安堵しながら、いつもチケットを入れている引き出しを開けた。

開けた。

ない。

佐藤優樹の写真のチケットホルダーに入れた、青封筒がない。
絶対にここに入れたのに、ない。
血の気が引き、パニック。
部屋を引っ掻き回し、散らかり具合がさらに救いのないものになる。
誰にどう泣きついて金を積んでも、譲ってくれる訳がないチケット。
届いていない訳はなく、郵便局に再配達をかけて受け取った記憶は確かにある。
それなのに、命より大事な一枚の紙がない。
文字通り泣きながらありとあらゆる鞄や書類の中を大捜索する事1時間。
もしかして、と震える手で引き出しの下の棚の部分に入っていた本をどけた。
そこには、佐藤優樹の笑顔のチケットホルダーがこちらを向いていた。
引き出しの隙間から下段に落ちていたのだ。
文字通り崩れ落ちるオタク。
冷静になれば、少し考えればすぐ分かっただろう。
後から思えば、すでにこの時正気を失っていたのだろう。
散らかり尽くした部屋を眺め、明日の起床時間を思い出してなんとか布団に潜り込んだのは1時を回っていた。


この時間は舞浜行きの人ばっかりなのはいつものこと。

殆ど寝ていない中、始発の電車に乗り継ぎ降り立った羽田空港。ここから向かうのは東京ビッグサイト(別の界隈のオタクなので)で、いつものようにバスに乗り込み向かうはずだった。しかし、時は2021年。お察しかもしれないが、間引かれ少なくなっていた、ついさっき今行ったバス。出てくるのが遅かったスーツケースを引きずり、立ち尽くすオタク。まずここで一つ予定外となってしまった。なんとか電車を乗り継ぎ、階段やらエスカレーターに汗をかきながらなんとか会場へ向かう。無事にイベントには参加し、友人にも会え、ホテルにもチェックイン。コンビニで買った缶チューハイを開けながら、佐藤優樹ラスト出演となったモー女。を泣きながらradikoで聞く。(地元では卒業後にしか聞けないので)よかった、とてもよかった。卒業の前日に、彼女の思いを聞くことができた。この時なんとなく、既に悟っていた。これはもしかして、お手紙のセレモニーはないのではないか。やっぱりそうかな、そして彼女が卒業の衣装はドレスを選ばないような気がしていた。さて、寝よう。しかしここで、私は気がついた。加湿空気清浄機の水が減っていて、一晩持ちそうになかった。余談だが私は気管支があまり強くないので、ホテルの乾燥はとても気になるのだ。明日のことを思えば、念には念を入れておくべきだと思ったのだ。いそいそとタンクを外し、バスルームへ移動。蛇口をひねる。

冷たい。

やっぱり推しの卒業が迫るオタクは、前後不覚なのだろう。深夜1時に頭から水をかぶった。
部屋着が2枚あるホテルでよかったな…と呆然としながら着替えて髪を再び乾かして寝た。

翌日、モーニング娘。’21 佐藤優樹の卒業の日がやって来た。
覚えておられる方も多いかと思うが、寒すぎない真冬の快晴で清々しい空だった。
私はいそいそとホテルをチェックアウトし、東京駅でスーツケースをロッカーに放り込むと日本武道館へ向かった。
ちなみにここに来るのは、ハロプロなら新垣里沙さんと光井愛佳さんの卒業コンサート以来である。(別界隈では来た)
物販に並び、さてここで気がついたことがある。貴重品のボディバッグ、この前ハロショで買った卒業記念のトート。
このどこにも、Tシャツとタオルが入っていないのだ。
いやそんなまさか、スーツケースに入れてロッカー?それはない、確かに鞄に入れた!!これはホテルに忘れたやつだ!!!
慌ててホテルに電話をし、取りに帰る時間の算段をつけ始めた。しかし、次の瞬間思い出した。

リュック背負っとるやんけ。(ついお国言葉)

あ、もうこれは自分ダメなやつだな…という自覚は流石にし始めた。ホテルに電話をしてありました、すみませんと謝り快晴を眺める。
まだ始まってもないのに、これである。どうなってしまうのだ、自分はと軽く絶望感。
しかしこれがまだ終わらないのである。

物販に並んでいる間に最後のブログが更新され、やはり今日はセレモニーはないのだと確信し、やっぱり「らしいな」と1人噛み締めた。
無事に欲しい物は買え、一度東京駅に戻り胃袋やその他諸々の支度をすることにした。

まだ余裕ぶっこいてた頃。

この日の私は、どうあっても必ず大阪に帰らなくてはならなかった。無理にもぎ取って来た平日の休みなので、抜け殻でも明日の9時には自分のデスクに座っていなければならないのだ。アンコールのどこかのタイミングで武道館を飛び出し、最終の新幹線までには絶対に乗り込む必要がある。そのためにスーツケースも1番良い場所のロッカーに預けたのだ。ともなれば、時間を随時確認できなくてはならないが、普段時計をする習慣がなかったので腕時計がない。東京駅の百均でそれを調達し、いよいよ日本武道館に再度向かった。

すっかり陽の落ちた武道館は、とても綺麗だった。フラスタの企画にはうっかりお金を出しそびれたが、並んで写真も撮り、そして入場。(公演の詳しい話はまた別に書こうと思う)
そして、本編が終わりアンコールへと向かう頃。今の時間を確認するために左手首の時計に目をやった。

17:45

おいおいおい始動のスイッチ入れ忘れてるやつーーーー!!!!
さて、今一体何時なのか。わからん、わからんがエメラルドグリーンの光を振るしかない。
まーちゃんコール応募してくれたみんなありがとう(これも送りそびれた)めちゃくちゃ泣きました。
結局、佐藤優樹が「ばぁーい!!」と暗幕の向こうに消えた瞬間スマホを引っ掴んだ。確か20時半ギリギリ前だったと思う。
ここで規制退場に引っ掛かったら終わりだ。我にかえるオタク。
コートや荷物をかき集めて、佐藤優樹のもう一度出て来た声を背中に聞きながら走る。
日本武道館を飛び出しタクシーを捕まえて、無事に新幹線に乗ることができた。
感傷に浸る余裕は全くない。

東海道を新幹線で走りながら、アイスを食べたりセトリのプレイリスト作って聞いたりしながら、確か岡山行きだったような気がするので、眠ることはできず、徐々に人間を取り戻したのか、大阪着いたら乗り換えは完璧で、無事に帰宅できた。

次の日は当然抜け殻でした。


シャンデリアにされてる……

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