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非ムスリムのラマダンの過ごし方

ラマダンも終盤に差し掛かってきた。私はムスリムでないので断食はしていないが、ラマダン中のヨルダン社会のリズムにもようやく体が慣れてきた。

私のラマダン中の過ごし方はこうだ。まず、いつもより早起きをして、きっちりと朝食を取る。ここを怠ると日中お腹がペコペコでもう本当にやる気がなくなる。水分も十分に取る。
そして、巡回をしている学校(職場)に出かける。家の中から外に出た瞬間に私も断食モードになる。クリスチャンが比較的多い地域に住んでいるとはいえ、90%以上がムスリムで国教がイスラム教のヨルダンでは、非ムスリムはラマダンの時期は断食をしているムスリムに配慮しなければいけない。だから私も日中は断食する(と言いながら、カバンの中にはお守りとして水筒を入れている)
周りにいるクリスチャンたちは、ムスリムには見えないように配慮をして、違う部屋にいき、こっそりコーヒーや紅茶を飲んだり、ご飯を食べている。私も時々、お邪魔する。ここでは逆にムスリムの先生たちが私に配慮してくれて、「クリスチャンたちがいる部屋に行ってコーヒー飲んできなさい〜」と言って、連れて行ってくれる。そこで私はコーヒーを飲んだり、おやつを食べたりする。でも必ずこの機会が訪れるわけではないので、やっぱり朝食はちゃんと食べる。

ラマダン中はいつもより勤務時間は早めに終わるので、だいたい昼2時過ぎにはお家に帰れる(いつもは昼3時くらい?)。その頃にはもうお腹はペコペコなので、一直線に家に帰る。お腹が減っているので、本当はサンドイッチでも買って帰りたいところだが、食事を提供するお店は全部閉まっているのでもうひたすら真っ直ぐに家に帰るしかない。(が、時々甘い匂いに誘われて、開いているお菓子屋さん屋やパン屋さんに吸い込まれていく。先日はチョコチップクッキーを買ってしまった)
そして、家に着くと私の断食モードは終了する。

先日、ムスリムの先生が断食をせずにこそっとご飯を食べていた。「どうして断食しないの?」と聞いてみたら「女性は月経中は断食してはいけないの」と言われた。「月経中は断食しなくてもいい」と思っていたので各自の判断に委ねられているのかと思っていたらどうもそうではなかったみたいだ。
私に気を遣ってか、その先生が私にりんごを半分くれた。私もこそこそしながらりんごを食べた。りんごをかじる時の「サクッ」という音を立てないように慎重に、慎重に。
でもそんなことはバレていた。「この前、りんご食べてたでしょう〜」と他の先生に笑顔で言われた。周りからも非ムスリムだから食べてもいいと思われているようで、随時、月経中の先生が何かを食べる時におすそ分けをもらうようになった。最初は「私はあなたたちの前では食べませんよ」みたいな雰囲気出してたけれど、ある意味道連れのように(これは私勝手な思い込みだけれど)「私も食べるからあなたも食べなさい」と言わんばかりにおすそ分けをいただく。昨日もりんごをもらった。なぜいつもりんごなんだろう?たまたま?

私は朝8時〜昼2時までの断食だけれど、それでもお腹は減るし、喉は渇く。これを日が昇る前から日が沈むまで(ヨルダンだと6時くらいから夜7時くらいまで)何も食べない、飲まないことを実践しているのは本当にすごいことだと思う。でもだんだんみんなもラマダン疲れ(夜と早朝にとにかく食べて、紅茶やコーヒーを飲むので寝不足気味)が出てきたのか、1時間目の学生の欠席率の高さと先生が授業をやたらと早めに終わられせる傾向が見えてきた。みんな後もう少しだよ!がんばって!

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