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こよみ薬膳 #小暑 7/7〜7/22頃

梅雨が明けて雨雲が遮っていた強い陽射しが降りそそぎ、うだる暑さが立ちのぼる頃。

七月七日は七夕(しちせき)の節句と言われ、唐代の中国で定められた暦に基づく五節句のひとつです。棚機つ女や乞巧奠(きこうでん)などいくつかの古い習わしが結びついて今の七夕(たなばた)の風習になっています。

五節句は例外である1/7人日以外、3/3上巳、5/5端午、7/7七夕、9/9重陽と同じ奇数が重なる日にあたりますが、陰陽の考え方では奇数は陽、つまり陽極まれば陰に転ずという理から季節の変わり目にあたり、邪気を祓い無病息災を祈ります。

五節句はもともと陰暦で行われていたもので、今年は8/17が本来の七夕。陰暦なら梅雨もとうに明けて晴れ渡る夜空に天の川がきれいに見えると言われますが、季節としても立秋を過ぎて風に涼しいものが混じりはじめる頃、節句の本来の意味を考えるとやはり陰暦の方がしっくりくるようです。

七夕に食べるものといえば素麺という方もいると思いますが、素麺の原型といわれる索餅(さくへい/さくべい)は奈良時代に中国から「唐菓子(からくだもの/からがし)」のひとつとして伝わってきたもので、中国の故事にちなんで七夕にお供えされていました。

その索餅を思わせるお菓子が今日のお菓子。これは番茶がし、伝統的な駄菓子としてつくられているもので小麦粉を練り油で揚げたもの。索餅には麦縄という別名もあるように縄のようによった形をしています。長崎名物の中華菓子よりより、麻花兒(まふぁーる)と同じようなもの。織姫が織る糸の束にも似ていますね。

歴史が古く名高い神社では今でも唐菓子が神饌として残っているそうですが、かつて全国各地でその風土や農産物をいかして作られていた素朴な駄菓子にも今ある和菓子の原型の片鱗が見られるようで、これについてはもっと調べてみようと思います。

話を戻して、今回のこよみ薬膳のポイントは素麺です。これから暑くなるにつれて冷たい麺類を食べる機会が増えますが、冷たいものを飲食すると冷えた胃腸が元の体温に戻るまで5,6時間かかるとも言われます。その間おなかの働きは鈍るので消化不良や食欲不振、十分に栄養が吸収されず元気が出ないなど夏バテの原因にもなります。

冷たいものを食べるときはできるだけ温かいものとセットで。熱々の緑茶は体内温度を下げずにほてった身体を冷ますのにぴったり。生姜や紫蘇、みょうが、ネギやわさびなどの薬味はおなかの働きを助け、そうめんつゆを美味しくする干し海老もからだを温めてくれます。

今年の夏もおいしく食べてぶじに乗り越えられますように。

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