見出し画像

電車の中から

普段、電車で移動をしている間、私は本を読みます。
移動の間になにかしてたい、読んでいたい、見ていたい、聞いていたい。そんな無意識から私みたいに本を読んだり、スマホを使う人が多いのだろうと思います。

電車を待つときも、電車の中にいるときも、私も含めて下を向いている人ばかりだなあと、ふと周りを見渡すと感じます。

先日、実家に帰る際、電車に乗っていました。ふと本のページから顔を上げ、外を見ると、見慣れた景色が。私の家は、ビルが立ち並ぶような都会にあるわけではないですが、学生の頃から頻繁に使っていた電車からの景色を見ると、なんとも言い難い安心感が込み上げます。

けれど、その時になかなか本に戻れなかったのは、景色に見惚れていたからです。ピンクと水色と、橙色が複雑に混じった、夕方と夜の間の空。ビルの明かりやネオンも、その空に似合っています。

周りの人はやはりスマホや本に夢中で、外の景色に気付いていないようでした。
「もったいないなあ。こんな近くに、綺麗な景色があるのに」
そんなことを思いました。

旅は私も好きですが、旅に出なくても綺麗な空は自分の近くにあります。
電車の移動時間に、勉強をしたり、本を読んだり、SNSを見たり、寝たりするのもいいけれど、ぼーっと外の景色を見るのもいい。

空をまじまじと観察することってそうないよなとも、電車の中で思いました。
今は引っ越して、職場から近い分、電車の移動時間もぐんと減りました。
実家から通っていた頃は、往復3時間かけて通勤をしていて大変でした。でも朝は早い分、朝焼けが川面を照らす景色を、帰りはちょうど夕焼けが夜の空と絶妙なグラデーションを作り出す景色を見れました。

本を読むこともやめて、つい見入ってしまう。見るたびに日々の疲れを忘れて、少しでも自分の目に焼き付けておきたいと感じていました。
空を見ていると、解放感があり、日頃あれをやらないと、これもやらないとという自分が、なだめられている気がします。

たまには、活字や、SNSやらから距離を置いて、ぼーっと、景色を眺めていたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?