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引っ越し準備

来週から、彼と同棲が始まります。
だから昨日、今日と、段ボールの中に梱包できるものは、どんどん入れて、あっという間に、八個の段ボールが出来上がりました。

クローゼットの中を開けると特に、なのですが、
「あ、こんなところに、こんなものが!」
とか、
「この部品はどこの部品なのだろう、、」
と、発見することが多いです。

お気に入りのお皿をクレープ紙で包んでいくのが
私の中では楽しく、
このお皿は彼にお誕生日に買ってもらったもの、
この小皿は母がくれたもの、
このマグカップはチェコで買ったもの、
このグラスは二人で住み始めてから買ってもいいのだけれど、
私が早く使ってみたくて、先走って買ったもの…
という風に思い出や、そのときの感情に浸っていました。

壁に何枚もピンで留められたポストカードたちも全て外して。
美術館に行った際に購入したあらゆる画家たちの絵や、
母と妹にもらった可愛らしいイラストが入ったものもあります。
少しずつ集めて、部屋の中を華やかにしてくれたのですが、
これらの絵ハガキはまた、新居でどこかに飾られたらいいなと思っています。

荷造りをしていくうちに、一人暮らしを始めたときのことを思い出しました。
一人暮らしを始めたときは最初、なんでもかんでも完璧にこなそうとしていました。
でも段々と慣れてきて、適度に手を抜くことも覚えて、
一人で生活していく力というか、
きちんとやりくりしていける力を身に着けられたと思います。

なによりも、
自分で料理をして、食べて、
本を読み、風を部屋の中に入れる心地よさや、
普段は節約して、時にはお気に入りのお店でケーキを買って、
家で食べたときの「美味しい」というふっと心が緩む瞬間といった、
本当に何気ない、でも生活の中にある喜びに気付けたことが、よかったと思います。

一人で暮らすと、何が不要で、何が必要なのかが、段々とはっきりしていきます。
今、住んでいるアパートの目の前に広場があり、
聞いたこともないような鳥の鳴き声を聞いたり、
日に照らされて一枚一枚が、艶を持って光る葉や、
猫が広場を横切っていくのを見ると、
しばらく窓の傍にいて、自分はどんな風に暮らしたいのかを、
教えられている気がするのです。

部屋の中に転がってくる風や、
窓から見える、同じ形などない、輪郭が曖昧な雲たち、
本のページを捲る音、
美味しいコーヒー、
ちゃんと食べて、寝ること。

そういったものが、私の生活を彩るのだろうと、
たったの一年半でしたが、気付けたことでした。
来週はきっと大忙し。
二人で暮らすことでしか出てこない感情を、
見逃さず、発見して、
喜怒哀楽、どれもを、彼と向き合っていけたらと思います。

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