ドラマ感想 『わたしを離さないで』

今日は、ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロが発表した同名のSF小説を原作とするドラマ『わたしを離さないで』を観た。

臓器移植のために作られたクローン人間たちの物語だ。

原作小説を読んだことないのでわからないが、ドラマを観るかぎり、これは医療論理だけを語る作品というより、クローン人間を通じて、「生きる意味」を語る作品だと思う。


ネタバレあり

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この作品は医療論理だけを語る作品ではなく、「生きる意味」を語る作品だと気づいたのは、第1話の最後に恵美子先生が子供たちに彼らの正体を明かすときに言った「外の人間は目的もなく、ただ生まれてくるだけですが、あなたたちは生まれながらにして、果たさなければならないある使命を負っています。それは、提供という使命です。」

確かに。わたしはクローン人間ではない、何のために生まれてきたのかわからない、今でも自分の生きる目的を見つかっていない。けれど、この子たちは生まれてから提供に回される、自分の体の一部が誰かを救うために存在している…それは、わたしという「外の人間」との違いだ。彼らは生まれてから、いや、生まれる前に提供という使命を背負っている。

押しつけられた「使命」は本当の「生きる意味」なのかは別だが。

そして、最終話にて老いた恵美子先生が言った「私は何のために生まれてきたのかって思いますよ」、もう一度「生きる意味」を提起した。このセリフは1話と呼応し、ドラマの組み立てを締まった。

第1話と最終話の恵美子先生のセリフだけではなく、途中も何度もいろんな人物を通じて「生きる意味」を語ってきた。

果たして、「生きる」ことは、必ず「意味」しなければならないでしょうか?生まれる前から人生設計をして、いつどこでだれとどんなことをするのを、決めなければならないのか。ドラマの…クローン人間みたいに?

どうせ生きるなら、自分の意思で生きていきたいだろう。

これは、このドラマを観た私の感想だ。

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