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読書感想 上野千鶴子『在宅ひとり死のススメ』

川端康成さんより難しい(いろんな意味で)読書をした!

上野千鶴子『在宅ひとり死のススメ』を読むきっかけは、ネットのある記事だった。ひとりのインフルエンサーが何度も何度も「なぜ結婚しないの」って問い詰められる中でフォロワーの皆さんにおすすめした本だった。上野千鶴子『在宅ひとり死のススメ』のほか、上野千鶴子『おひとりさまの老後』、酒井順子『子のない人生』、酒井順子『家族終了』もある。

今日は『在宅ひとり死のススメ』を読んだ。

この本を読む目的は「いろんな人生を覗いてみたい」でしょうか。

こんな本もあるね。日本人は本当にすごいね、ここまで「死」を語れるね。っていうのは読む前の感想だった。

冒頭、「ふたり世帯の満足度は最低」などが出てきた。一言って言うと、「おひとりさまは悲しくない、楽しい」ってこと。ここで引用されたデータや研究は読んだことがなくて、満足度も測りにくいので、読み流した感じだった。相性が合わない二人が一緒に住んでも楽しくないじゃんって思ったから。相手をちゃんと選べないとね。

この本は、特に最初のところに、とにかく引用が多い。正文でも参考文献並の引用があって…この分野(おひとりさま・老後・介護)への知識を深めるが、引用と著者の考え方が飛び交わすので、ちょっと読みにくかった。

勉強できたことはたくさんある。

例えば、「健康寿命」。平均寿命と違い、健康寿命とは、持続的に医療や介護を利用しない場合の生存期間である。持続的に医療や介護を利用しないと自由に生活できないと考えると、平均寿命はいくら長くても…「楽しく」人生を送れないのか…「いまの時間を大切しなきゃ」も思った。

例えば、孤独死の定義。いままで、その定義について考えたこともなかった、ただニュースをみて「孤独死」になった人間のことを嘆いただけ。実際、その定義は自治体によって異なる。「病院孤独死」と呼ばれる孤独死だってある。

おひとりさまの老後の砦となるのは、やっぱり認知症でしょうか。認知症になっても結婚できた人だっている。それはびっくりした。

安楽死についても議論された。そして、日本において、安楽死と尊厳死は違う意味を持っていることを知った。

最後に、介護保険の素晴らしさと今後も語られた。特に「介護行為」の有償化は女のただ働きを解消することができた。

本は面白かった。今のわたしからしてみればまだまだ「遠い」だが、いつか訪れる老後。年のせいか、日本語のレベルのせいか、本は難解だった。老けたらまた読んでみると、違う感想ができるでしょう。

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