伝染性単核球症闘病録

 こんにちは、しおん(サークル内ではゆうれい)です。なんかすごく物々しいタイトルで漢字がいっぱいです。毎年恒例のTSGアドベントカレンダー、12月25+4日分をお送りします。私は今年チキンもケーキも食べられなかったので、私の中のクリスマスはまだ終わっていません。

 どうしてチキンもケーキも食べられなかったのかというと、今年の11月中旬から伝染性単核球症という病気にかかり、体調が不安定だったからです。今回のアドカレはその病気についてのお話をしようと思います。

伝染性単核球症とは

伝染性単核球症は、EBウイルスというヘルベスウイルスの一種による感染症です。EBウイルスは主に幼少期に親の唾液等を介して感染し、成人の9割以上に感染歴があると言われています。感染後も体内に残り続け(潜伏感染)、たまに唾液等に混じって感染力を持ちます。大半は不顕性感染(感染しても症状が出ないこと)ですが、思春期以降に初感染した場合には症状が出現することがあり、これを伝染性単核球症といいます。

特徴・症状

  • 病名: 伝染性単核球症

  • 原因: EBウイルスの初感染

  • 潜伏期間: 4-6週

  • 主な症状: 発熱・倦怠感・喉の痛み・リンパ節の腫れ・肝機能の低下・脾腫・発疹 など

  • 治療法: 対症療法

  • 発症から治癒までの期間: 急性期(2-3週)、回復期(数週-数ヶ月)を経て回復

病状経過など

急性期 (2022.11.17-2022.11.30頃?)

  • 11.17 頭痛・筋肉痛が出現。前日にマッサージに行ったせいだと思い込み痛みどめを飲んで放置。

  • 11.18 朝から腰痛と倦怠感があり、夜18時ごろ発熱。マックスで38.5度。金曜夜だったので月曜まで待つか悩んだが、結局休日診を受診。PCR検査をしてもらうが陰性(翌日判明)。ここで1万円とられて絶望する。発熱する直前まで会っていた人がいたので震えながら連絡。

  • 11.19 左首前側のリンパ節が腫れる。そこまでリンパが腫れる体質じゃないのでびびる。熱感があったが痛みは特にない感じ。朝昼は37度くらいに下がっているが、夜19-21時ごろに37度後半-38度後半の熱が出る、という日が数日続く。

  • 11.20 午後 鼠径部のリンパ節付近に硬いしこりを発見。首のやつと明らかに違うので怖くなる。

  • 11.20 深夜-明け方 手持ちの解熱剤が効かず、脱水と悪寒がひどくて夜間の病院に行く(大学病院しかなかった)。強めの解熱剤を処方してもらい、ついでに血液検査と尿検査をしてもらった結果、ウイルス性の感染症でしょうと言われ、数日経って治ってなかったらまた来てくれと言われる。ここでも1万円弱とられてさらに絶望する。検査の結果、肝機能の異常とCRP値(炎症反応を示す蛋白の値)の上昇、血小板数の低下が見られた(後から考えればどれも伝染性単核球症の典型初見だった)。

  • 11.21 月曜になったので近所のクリニックを受診しようとしたものの、どこも発熱外来に行ってくださいと言われる。発熱外来では他の患者の方と同じ待合で過ごすことになると言われ受診を躊躇する。なぜなら、コロナに関しては感染対策に自信があり(先日のマッサージ以外は直近1週間ほぼ外出しておらず、そのマッサージ店も自宅から徒歩5分で担当スタッフ2名のめっちゃ小さいところだった)、かつ1回陰性になっているからだ。無用なリスクは負いたくなかったので抵抗を試みたが、ついに「ある程度のリスクは負ってもしょうがないでしょう」と怒られてしまう。なんとか安心できるクリニックを見つけて受診した結果、大学病院への紹介状を書くと言われて面食らう。

  • 11.23 やっと夜間の熱が下がり始める。ここから11.30まで2日ほど熱が出る日があったが体温は安定している。倦怠感はかなりひどくて会話すらろくにできない状態。

  • 11.30 大学病院を受診。この頃には首のリンパ節の腫れはだいぶ引いて見た目ではわからなくなっていた。ウイルスの抗体価など、より詳細な項目の入った血液検査をしてもらい、1週間後の12.7に伝染性単核球症の確定診断。11.20夜より肝臓の数値が悪化していたが、それ以外の値は改善していた。

回復期 (2022.12-現在)

  • 12.9 夜に背中の圧迫感と息苦しさで眠れなくなる。ご飯があんまり食べられなくなる。病院に電話したら脾臓の腫れだと言われ、解熱鎮痛剤を飲むように指導される。

  • 12.14 念のため病院を受診するもやはり脾腫と鼠径部リンパ節の腫れだけで異常なし。肝機能が改善したので、運動やラーメンなど脂っこい食事が数字上は解禁になる(食べる体力があるかは別だが)。

  • 12.25, 27 37.5°Cの発熱。解熱剤を飲んで回復。

  • 現在 倦怠感とリンパ節の腫れはまだあるが、他の症状は概ね消失して順調に回復に向かっている。鼠径部については、次回診察(2023.2.8)で大きくなっていなければそのまま経過観察続行、大きくなっていれば別の病気を疑って追加の検査をするそうです。

ちょっとした啓発その他

ここでは、今回の経験を通して困ったことや共有しておいた方がいいことを書いときます。

  • 発熱外来について

    • 近所のクリニック、発熱したら全部発熱外来に回されてPCR検査からやり直しなので、こういうコロナじゃないけどコロナに似た症例を示す病気の人って不便になったなあ、って思った(コロナの可能性が圧倒的に高いので合理的な方法ではあるけど)。そもそも発熱外来の予約取るのも一苦労だし。

  • 他の病気との鑑別について

    • 急性期ははっきりとした診断がつくまでに時間がかかった上に硬いしこりを触れるというのがこれまでなかったので、怖い病気なんじゃないかとかなり不安でした。具体的には自己免疫疾患・白血病・悪性リンパ腫なども似た症例を示すことがあるらしいですね。20日の夜、#7119に夜間救急外来に行くべきか電話相談したんですが、その時に「その熱の出方は感染症ではなくて内科的症状(いわゆる上にあげた怖いやつ)の可能性があるので、かかるなら耳鼻科じゃなくて内科に行ってください」って言われて頭真っ白になったのはよく覚えています。30日に診断確定するまで怖すぎて夜中なかなか眠れませんでした。体調めっちゃ悪いのに精神状態まで最悪でしたね()

    • ということなので、首や脇の下、鼠径部などに腫れやしこりが数週間くらいあって消えないだとか、1週間くらい熱が下がらないだとかいうことがあれば、若いからって放置せず速やかに病院に行ってください。

  • 伝染性単核球症について

    • 輸血などを介して感染することはありますが、一般的な感染経路は唾液です。なので不服にもこの病気は「キス病」と呼ばれることがあります。ただ、伝染性単核球症はキスだけでなく、他人が食べた食器を洗わずに使用したり、回し飲みをしたりすることでも感染します(唾液感染なのでそれはそう)。成人の9割以上が感染しているので、一生に一度もかからないというのは不可能ですし、自分がその少数派になっている確率なんてそんなにないので気をつけすぎることは割に合わないと思っていますが、一度罹ったら最大で数ヶ月棒に振るので、大事な試験の前は特に衛生管理をしっかりするくらいの対策はしておくといいかもしれません。

    • この病気にペニシリン系の抗生物質は禁忌です。発疹などの症状が出ることがあります。医師から与えられた薬を、量・種類ともに必要十分に飲むようにしてください。

関連資料

  • 別の人の病録

  • 保健センター案内


最後に

生きてるだけで100優上。みんな健康には気をつけようね。特に深夜にsandyboxで喋ってるTSGerの皆さん、ゆうれいは心配です。


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