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04 Ankiのカード作成の仕方

Ankiでは、解きたい問題種別や持っている勉強の素材によって最適なカードを選びカードを作成しています。

Ankiは元々言語の勉強用に作られているサービスなので、出回っている情報も日本語版ではほとんどが言語の勉強です。

このため、言語の勉強と違うような部分、例えば教科書や自分の勉強している内容から引っ張ってくるなどのことは自分で模索しながら工夫する必要があります。

ここで注意すべきことは、

- どんなカードに
- どのような内容を
- どんな手順で

カード作成していけば良いのか?ということです。

このうち、「どんなカードに」という部分は、前章Ankiのテンプレートにて紹介したテンプレートです。(2021年1月1日現在clozeタイプのみ公開中)

このカードそれぞれに合った内容を追加していきます。(というよりも内容追加にあったカード作成分類にしています。というのが正しいです。)

このため、手順的には「どんなカードに」が1番先に来るのですが、説明の順番として、最初にどのような内容を入れるかということを、Ankiの立ち位置から説明していきます。

Ankiカード作成の立ち位置

Ankiは、SRSというシステムを採用しているフラッシュカードアプリです。
それ以上でもそれ以下でもありません。

僕の現状の勉強のflowでは、inputをgoodnotes5、知識の結びつけや整理にObsidian、そしてその知識の演習にAnkiを使っています。

備忘録さんがまとめている画像が分かりやすいと思います。

僕自身が書いている画像もありますが、量が多すぎてとんでもないことになっています。興味があれば見て下さい。

(この話はいつか「初めてのiPad勉強講座」でする予定です。ここで初めたら、カードを作成するところまで行きつかなくなりなりそうですので…。)

しかし、Obsidianを導入するまではgoodnotes5→Ankiとしていましたし、実際に今の6年生を含めた多くの人がこのやり方でAnkiの作成をしているかと思います。

Ankiは、復習効率の良いタイミングで演習をするシステムを導入していますが、その前提として「知識を理解していること」が必要です。

【理解していない知識】を詰め込んでしまうと演習するたびに【まとめているテキスト】などに戻って確認する必要があるためかなりの時間がかかってしまいます。

よく医学の勉強は単純暗記だ。いや、前提となる暗記が必要だ。みたいな議論を見かけますが、そのような話に近いです。

突き詰めて行けば単純に暗記しなければあるとしても、まずは全体像を理解して、その個別の事項を暗記していく必要があります。

そのため、Ankiは主に以下のような使い方に分かれる気がします。

- 全然覚えられないところを入れて繰り返し覚える
- とりあえず知識を詰め込んでいく

ちなみに、僕は「とりあえず知識を詰め込んで覚える」派です。
勉強の学習段階や個人が他に使っているツールとの兼ね合いもあるのでどちらかに完全に絞るべきとは言いませんが、何かを新しく学び始める際には、とりあえず知識を詰め込んでいく方をおすすめします。


全然覚えられないところを入れて繰り返し覚える

ある程度、その内容に関して知識が入っている状態が前提になります。
理解のための暗記は終わっており、暗記していく中でどうしても覚えられない部分。特にほとんど単純な暗記になってしまう部分や他との区別が分かりにくい部分、語呂合わせでなんとか覚えようとしている部分など、暗記がしんどい部分を入れるやり方です。

この方法では、基本的に【goodnotes5やObsidian、紙といった別のナレッジベース】とスプレッドシートやTaskchute的な学習管理システムがあることが前提にはなってしまいますが、contextベースの勉強を他でやり、一部のみに絞ることでAnkiを補助的に使います。
自分の勉強しているツールを変える必要がないため、Ankiの学習コストがそれほどかからず、適切に使うというやり方です。

とりあえず知識を詰め込んでいく

僕の使っている方法はこちらです。

基本的にAnkiに全ての内容を入れています。こちらでは、他で学習管理をする手間が少なくなります。

(もちろん、inputやcontextベースの勉強ではこの限りではありません。ankiはそこをカバーしないので)

これは、AnkiのSRSが覚えていない項目を復習効率の高い段階で提示してくれるシステムだからです。

大量の知識を頭の中に入れ、忘れないようにする(or 忘れても思い出す)必要がある勉強では、先ほどの一部のみ入れるものや、全てAnkiなどのSRS搭載しているものを使わない場合には穴が発生しやすく、年単位の勉強となったときには、どこを復習しておらず、どこを忘れているか分かりづらいです。

(もちろんスプレッドシートなどで管理している人はそれが起きにくいですが、知識個々に対してそれを行うのは少し難しいです。)

つまり、全ての知識を入れることで、Ankiは知識それぞれを適切なタイミングで復習するペースメーカーとなってくれるのです。

ここでは、基本的に僕が採用している「知識を個別に分解して基本的に全てAnki化する」という方法を取っていきます。他の方法をとる方は自分に必要な部分のみ採用下さい。

また、他のツールはニッチを埋めるために兼ね合いを考えながら使いますが、Ankiと被っていないもの(スプレッドシート、todoist、Notion。ReminDO、goodnotes5:フラッシュカード)に関してはここでは一切紹介をしません。その辺りの兼ね合いは姉妹本である「初めてのiPad勉強講座」へと委ねます。

🔥 他の主要アプリとの兼ね合い

Ankiに入れる内容は"基本的に全て"です。
次に考えるべきは立ち位置。自分の勉強のどの段階にAnkiは出てくるのか?ということです。
まとまっているものを参考にして、勉強していく(もしくは問題を解く)この中で学んだことをどこかに自分の言葉で記していき、これに参考文献をつけていく。これが今僕がやっている勉強の主軸となっているやり方です。

具体的にいうと、goodnotes5でinputした後に、その内容の中で学んだことや、それ以外の場所で学んだことをObsidianにPKMを作成していきます。
ここでいうPKMとは知識の繋がりに重きをおいています。医学の各科目間で合併症や鑑別など知識を複合的に使う場面は多々あります。そのため、このような知識をつなげるためのアプリがあると便利です。

Obsidianを使うメリットについては以下を参考にして下さい。

OnenoteやRemNote、(Evernote)でも同じようなことができます。RemNoteのユーザーはまだ少ないと思いますが、これのみPKMとSRSが混ざっており一括りにするのが難しいです。

ここで、PKMを作成する際には、zettelkastenというノートの作成法を取っています。

医学の勉強に最も重要なところを簡単にいうと

- 知識を項目ごとに分割してノートを作る
- コピペなどをせず自分の言葉で書く
- 参考文献を載せる

この3つをとりあえず覚えておけば良いと思います。

PKMについて詳しく知りたい人は以下を参考にしてください。

ノートやセンテンス同士を結びつけることで知識の繋がりを深め、既存の知識と新規の知識を結びつけられます。

medu4受講者向けとなって申し訳ないのですが、HZM先生が他分野との知識を結びつけて話しているものをリンクでノート上に表現できるようになります。

このようにしていくことで、知識を単発のものではなく、連携したものとして覚えていくことができます。

このようなノートを作っておけば、NotionやObsidianでの勉強や赤シートを使ってgoodnotes5上で確認するなどして、コンテクストベースの学習をしつつ、単純に暗記していく部分はAnkiへと移せます。

また、zettelkastenの基準の1つである、知識の細分化をしておけば、Ankiにそれを入れておくだけで自分の言葉で書かれ(つまり理解している)カードが細分化された知識で表示されます。
もし、Ankiに加えていくカードに大量の内容を加えてしまうとその知識を覚えているか否か?の判定の効率が下がります。
そのため、知識を細分化してからAnkiカードへと変換することをおすすめします。
このようにしておけば、コンテクストベースで背景を理解しつつ、自分が覚えていないところに効率的にアプローチできます。

ノートを作りつつ、そのノートをそのままAnkiへと移せるObsidianを採用しています。ObsidianにはAnkiカードを作成できるpluginがあります。

実際にこのようなやり方を取り入れている人のpostが以下です。

本当にAnkiのカード作るの??

Ankiは、年単位の勉強にて効果を発揮する。つまり、生涯学習をする言語や医療系、法律、プログラミングなどで効果を発揮します。つまり、長い目で見ることはわかっても、勉強のどのタイミングで使い始めるのが良いのかいまいち分かりづらいです。

Ankiは、カードを作るのに結構時間がかかってしまいますが、長期的に考えればそのかかった時間以上の時間を削減してくれます。このため、勉強の初期段階では多くの時間をカード作成にさきながら復習していく必要があります。

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