You Tube「桜井政博のゲーム作るには」チャンネルから学ぶ、サッカーというゲームの面白さ
ふとYou Tubeのオススメに出てきた動画から多くの学びがあったからそれを自分なりにまとめてみる。
ちなみにこのチャンネルの桜井政博という方は、ゲームの「カービィ」や「スマブラ」を手掛けた人。
ゲームの面白さ
オススメに出てきてまず見た動画がこれで、そして一番「なるほど!」ってなったのもこれ。
ポイントを絞ってくれている動画だから見れば一撃でわかるんだけど、言われているポイントを抜き出すとこんな感じ。
なるほどまさに!と唸った。
という例えがしっくりくるほど、何かを取れば何かを失う要素が多いサッカー。
リスクとリターンはまさに。
ドリブルで相手を引きつければ味方にスペースを作れる!(リターン)けど引きつけすぎるとスペースとコースがなくなる(リスク)
パスを出せば早くボールを動かせる!(リターン)けど速いパスは味方にも難しいし、パスカットされるとその相手はフリー(リスク)
自陣ゴール前に近いところでパスを繋ぐほど相手ゴール前にスペースが出来る!(リターン)けど自陣ゴール前ほど相手ゴールは遠くなるし、なにより自ゴール前で奪われたらキツい(リスク)
前に奪いに出るほど相手のプレーを制限できるし、より前で奪えば相手ゴールが近い!(リターン)けどタイミング悪く前に出れば自分の背後のスペースを開けることになってしまう(リスク)
セットプレーをゾーンで守れば相手の動きに惑わされないしその後の展開も計算しやすい!(リターン)けどゾーンの隙間に相手とボールが入ってきたり、一箇所に数的不利作られたりしたらどうする?(リスク)
テキトーに考えてもリスクとリターンの関係になるものがこうやって出てくる。
そしてそれをどのぐらいのリスクでどのぐらいのリターンを得ようか、相手を見ながらかけひきが生まれる。
サッカーはとてもゲーム性が高いじゃないか!
ただそうなると、上のようなリスクとリターンを理解していないと、サッカーの楽しみが半減してしまうのではないだろうか。
動画内ではこんなことも言っている。
サッカーってもしかしたら一般性がとても低いものなのかもしれない。
マリオの「敵に当たったら死ぬ(リスク)けど敵に近づくと敵を倒せる(リターン)」のように直感的にわかりやすくしかも単純なリスクとリターンなら説明不要だろうけど、サッカーのリスクとリターンって知らなきゃ分からないものだらけだし、しかもそれらが複雑に絡み合ってて単純なリスクリターンで語りづらい部分もあるのよね。
直感的にわかりづらいものや一般的にわかりづらいものは、やはり最初に説明する必要があるのだろう。
それがゲームでよくあるチュートリアルだね。
そこにどんなリスクとリターンがあるのか。教えてあげると、楽しませたい人を楽しませられるのかもね。
楽しませたい対象が「ヒヤヒヤしたんじゃな〜い?(あきら100%)」という状態になってればきっとゲームを楽しんでる。
指導者、実況、クラブ経営者、などなど、サッカーをみんなに楽しんでもらいたい職業の人達はいろいろいるけど、そのためにはまず発信者がサッカーというゲームのリスクとリターンを理解してかけひきを伝えることが大事なんだねきっと。
こういう図も作ったことあるけど、かけひきをシンプルに図式化するのも良いかもね。(シオンコーチはいい仕事するね!)
そして導者的に言うとあれだな、リスクとリターンのかけひきが含まれていない練習なんかはサッカーのゲーム性から離れるという自覚は持たなきゃいけないね。
「コーンを相手に無限テクニック練習だ!」
ノーリスク&リターンはよくわからないクソゲー。
これを強制的にやらされるのは嫌ね。
動画ではこんなことも言っていた。
深いね。
かけひきがなくたって面白さはあるんだぞ!
クソゲーとか言ってごめん。
とはいえ指導者的には「サッカークラブに入るよりビデオゲームの方が”ゲーム”を学べる」なんて言われないようにはしたいところ。
我が国のサッカー界では成長のためとか言って一択の正解をひたすらやらせる傾向があるけど、それはゲームの面白さとは違うんだぜい。
むしろ機械的に勝敗に無責任にプレーすることで、そのプレーにどんなリスクやリターンがあるかわからないままプレーしていたら、成長のためになるわけがない。
自分でそのリスクとリターンをかけひきするから、状況に合わせた選択の精度が高くなっていく。
選手は「コーチに怒られる」「親に褒められる」とかそういう外部のリスクとリターンじゃなくて、ゲーム内のリスクとリターンに向き合わなきゃね。そうできる環境を指導者としては与えたい。
ブラジル人がギリギリのところで勝負強かったりしてサッカーが上手いのは、たぶんリスクとリターンをキワキワで調整し続ける死と隣合わせの緊迫した”ゲーム”をひたすらやってきたからだと勝手に思ってる。
あと、マリオの「敵を踏んで攻撃に変える楽しみ」を説明する前に言ってたこれも良かった。
世界でサッカーが面白いと思われている理由を日本ではあまり理解されていない気もするし、逆に日本でサッカーが面白いと思われている理由が世界とは違うということにも気づく必要があるのかなと思った。
日本で普及させるならピックアップする面白さが違うのかもしれない。と思ったりした。
この話はいづれまたどこかで。
ストレスをかけて解消が面白さ
これまた「なるほどたしかに!」な動画。
そうなんだよね。
そもそも最初からゲームをやならければそのストレスは無いのだから。
ゲームをやることによって、問題などのストレスを感じて、それを解消することで気持ちよくなり、その解消で得たスキルやボーナスで、同じ問題や他の問題をより効果的に解消できるようになる、というループ。
これが中毒性を生む。
だから「最初から最強です!」「絶対全勝です!」じゃあつまらない。
ゲームってチートを使うとすぐ飽きるものなんだ。
だからゲームを楽しむという点では、多少不利なチームに所属してたり応援してたりした方が、ゲームの面白さを得られるんじゃないかな。
ただ問題を解消するのが難しすぎる環境だと逆につまらなくなるけどね。
解消可能な現状に合った適度なストレス。
サッカーをみんなに楽しんでもらいたい職業の人達は、これを提供できるかがポイントになってくるのかもしれない。
ドイツで圧倒的王者のバイエルンとかってその辺が難しそうね。また別のストレス与えてるのかな。
最初が勝負
当たり前のことなんだけど改めて納得させられた動画。
そうなんだよね。さっさと本編やれないとダレるんだ。
ゲームは”早く” ”自分で”遊びたいんだから。
視聴者として「ゲームそのものを楽しむ」っていう点だけで言うと、代表戦とかでよくある試合開始30分前ぐらいからの煽りVTRとかって、本当は余計なことなのかもしれない。
ストーリー作って思い入れ持ってもらおう!ってのはわかるけど、誰かの作ったストーリーを押し付けられるってけっこう胃もたれするしね。
なんだったらその30分でその試合中にありえそうな前述のリスクとリターンだけをピックアップするだけの方が、視聴者も入り込みやすかったりしてね。
ただそこでサッカーの本編を勘違いさせちゃうことも無いようにもしたい。
「〇〇対〇〇の1対1の勝負がどうなるか?」みたいなところばかり注目させたら、サッカーの試合においてその状況になるまでに3分以上かかるとかザラよ。
なんだったらその現象ゼロもあるからね。
「本編始まらないじゃない」になっちゃう。
生観戦で言うとあれだね、スタジアムまでが遠いってやっぱり不利だね。
本編までが長え。
家を出た時から本編にするにはどうしたら良いのだろうね。
そして指導者的に。
「コーチの話長え〜」って選手に思わせたらそのゲームから離れて言っちゃうよ。
それと何?基礎ができてからゲーム?クソゲーか。
これも刺さった。
サッカーというゲームだからこそ楽しめる部分を味わってもらいたいね。
プロの仕事
これはサッカーでお金をもらっている人たちはとにかく見てみて欲しい動画。
絶対刺さる。
最後に
この辺の動画は指導者的に感じることがあったけど、この記事では特に触れない。
なぜか。
この動画でプレゼンはスピードって言ってるのに、言いたいことがあっちこっちに飛んで記事が長くなっちゃったから。
ということで終わりにします。
人によっていろいろ得るものがあるチャンネルだと思うので興味あったらぜひ動画見てみてください。(いっぱい引用させてもらったから少しでも宣伝)
終わり
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