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for serendipity793「多面体としての人間」

作家・劇作家である井上ひさしさんの『この人から受け継ぐもの』(2010)にある宮沢賢治の章より。→「たとえば、一人の人間の生き方として、ナントカ株式会社の社員であるというだけではだめだということです。これは賢治が羅須地人協会でしきりにいっていることですが、百姓はただ土を耕しているだけだけではだめであって、同時に芸術家でなければいけない。さらに同時に宗教家でも科学者でもなければいけない。一人の人間は少なくともその四つぐらいを兼ね備えないと人間として楽しく一生を送れないということを、手を替え、品を替えいっています。(中略)人間はいろいろな多面体となって生きていかないといけないということを教えてくれるわけです。」(52p)

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