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Bad Things/22

【episodeユカリ〈1〉冬の足音】

 ほうっと溜息がもれた。

 テーブルの角をはさんで斜め横に腰を下ろした八角(やすみ)さんが、穏やかな目つきでくすりと笑った。

「なあに、霜谷さん。おつかれモード?」

「疲れが八角さんのコーヒーで飛んでいきました。はぁ、幸せ」

 閉廊後のギャラリーにあるのは真っ白い壁と、大きな木製のテーブル。

 通りに向かって一面ガラス張りで、外灯に照らされた街路樹はすっかり落葉していた。

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