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ごみにするかは自分次第。布ナプキンが教えてくれた幸せな循環

自分の心と身体をいたわって大切にすることは、地球を大切にすることにも繋がっている。

ボーッと生きてきたわたしが、地球環境が置かれている深刻さを知ってから、模索し、悩み抜いて、辿り着いた感覚。

その感覚は、色んな問題と向き合うたびに訪れるのだけど。
今回はそのうちの一つ、布ナプキンにまつわるエピソードを書いてみます。

限られた女性向けの話と思われるかもしれないけれど、幅広い人に伝えたい話。
大切な人がもし悩んでいたら、是非伝えてほしい話です。

ケミカル→ナチュラルのハードル

以前の投稿でも触れた経皮吸収のこと。
日用品などに含まれる化学物質が皮膚を通して体内に侵入し、蓄積され、病気や不調の原因となる、、という一説について。

経皮吸収率は身体の部位によって異なると言われています。デリケートゾーンの、その名の通りの繊細さたるや。

腕の内側: 1
頭皮、脇: 3.5
口内: 10〜20
デリケートゾーン: 42

かれこれ20年以上(文字にするとびっくり)当たり前に使ってきた、ケミカルな紙ナプキン。
知らないうちに、負担をかけていたのかもしれないなぁ、、と、いざ自分の身体がトラブルを抱えてから気がつきました。
紙ナプキンだけが問題とは言えないですが、一つの要素だったのかもなと。

そして、療養中に知った布ナプキンの存在。
なんとなく身体によさそうな気はするけれど、紙ナプキンから布ナプキンに切り替えるのはけっして自然な流れではなかったです。

なんといっても、ネックは手間。
紙ナプキンなら使い捨てで終わるけれど、布ナプキンは毎度浸けおきや手洗いが必要になるし、外出中なら、持ち帰らないといけない。
そんな面倒なこと、続けられるだろうか、、
(実際、他の人にオススメしても同じようなコメントが返ってきます)

かなりの面倒くさがりで飽き性なわたし。
形から入ってみたものの、全然長続きしないなんてことはあるある。
でも、身体が知らせてくれた、SOS。
ちゃんと向き合った方がいい気がして、気が済むまで布ナプキンのことを調べまくりました。
そしてとうとう、重い腰をあげてやってみることに。

半ば賭けのように始めた布ナプキンでしたが、これが驚くほど大きな変化があったんです。

一つ補足したいのは、ケミカル=悪だと言いたいのではないってこと。
体質も生活環境もそれぞれ違う、諸説ある中で、何を選択するかは自由。
ただ、無意識の当たり前を見直すことで生まれた嬉しい変化が、どなたかの参考になったらいいなぁと思います。

身体はちゃんと教えてくれる

布ナプキンに切り替えて変化したこと。
まず、分かりやすかった身体の変化。

⚫︎鎮痛剤が手放せないほどの痛みから解放された
⚫︎生理期間が短くなった
⚫︎経血コントロールができるようになってきた

生理の辛さは本当に人それぞれだと思うけれど、わたしの場合、初日と2日目が特にしんどくて。
鎮痛剤を飲まずには過ごせなかったし、ひどい時は学校や会社を休んで寝込むことも。

生理痛から引き起こされた激しい腹痛で、家でも外でも失神を起こしてしまい、救急車のお世話になったことも何度かありました。

そんな状態から布ナプキンに変えただけで、薬が必要なくなった。これが1番の驚きでした。
もちろんそれなりのしんどさはあるのだけど、感動モノの変化。

さらに、だらだらと1週間続いていたのが、なんと大体4日ですっきり終わるように。
今までの辛さはなんだったの、、?!

生理痛の重さは体質だから、この先もずっと付き合っていかないといけないと思っていたのに。
この変化は、本当に衝撃的でした。

それから、経血コントロールのこと。
これは自分のタイミングで経血を出せるようになること。つまり、体内に溜めておいてトイレで出せれば、ナプキンに頼る必要がなくなります。

もちろん個人差はあるようで、わたしは劇的な変化を感じられたわけではなかったけれど。
紙ナプキンよりも布ナプキンを使っている方が、身体の感覚がわかりやすいそう。

わたしも少しずつ、感覚が掴めてきたかな?という感じ。
骨盤底筋の使い方など練習は必要みたいですが、「コントロールできるもの」という意識を持てただけでも大きいかなと思います。

余談ですが、野菜は農薬や肥料に頼った環境で育てられると、自分で頑張って栄養素を作らなくなるんだとか。
だから見た目は立派でも、含まれる栄養素は50年前の1/2や1/3になってしまっているという話を聞きました。

これ、なんだか通じるものがあるなぁと。
わたしも今、便利なものに頼ってきたあまり身体が忘れてしまった本来の機能を、じわじわと取り戻していっている気がします。

それはごみではなく、わたしの一部だった

そして、心の変化。

⚫︎穏やかに過ごせるようになった
⚫︎経血が“ごみ”ではなくなった
⚫︎身体と向き合う時間ができた

生理痛が緩和し、期間が短くなるだけでも心の負担は大きく減ったわけですが。

紙ナプキンが肌に触れている不快感からの解放とともに、布ナプキンの気持ちよさ、温かさ、包まれている安心感を知りました。
なんだか、ほっこりするんです。

さらにもう一つ大きく変化したのが、自分の経血が“ごみ”ではなくなったこと。

今まで何の疑問もなく、むしろ嫌悪感すら抱いてごみ出ししていた使用済みナプキン。
(生ごみと同じで、水分を含んだ状態で溜めておくと臭いが発生するんですよね。それ自体は臭いわけではないのにね)

布ナプキンに切り替えると、洗って繰り返し使えるのでごみが出ません。
と、いうのは想像に容易いけれど。
もっと大切なのは、面倒そうだった洗う手間が身体と向き合う時間になっていったこと。

習慣になるまでは、疲れている時や忙しい時、「紙ナプだったら楽だったのに!」と思うこともしばしばありました。

でも慣れてみれば、琺瑯バケツにお水入れて、ナプキン入れて、セスキソーダ入れて、しばらくしたらすすいで、はいおしまい!

想像していたほど大変な作業ではなかったし、何より自分で手洗いすることで、経血の状態(サラサラ?ドロっとしている?色味、量など)に自然と意識が向くようになり、そこから身体の状態を想像するようになりました。

そして大袈裟に聞こえるかもしれないけれど、自分の身体がちゃんと巡っていることに幸せを感じられるようになりました。

あぁ、生理ってただのしんどい期間ではなくて、経血はごみでもなくて、わたしの身体の大切な一部なんだなぁと。

自分に手間をかけることは、自分の中の小さな循環に向き合うこと。
こんな気づきを持てたのが、とっても嬉しかったんです。

身体をいたわること、地球をいたわること

そうして、私の中で当たり前となった布ナプキン生活。
それから数年経って今、それは地球規模の環境問題や、社会問題にも繋がっていきました。

まず、環境汚染について。
一般的な紙ナプキンは石油由来のプラスチック素材が使われているので、廃棄すればプラスチックごみのひとつとなります。

1枚のナプキンに含まれるプラスチックは、なんとレジ袋4枚程度にも相当するそう。
そして、女性は一生の間で1万枚に近いナプキンを使っているのだそうです。
そんなこと、考えたこともなかった、、

そして、”生理の貧困”という問題。
昨今、経済的な厳しさから生理用品が買えなくて困っている人が増えているといいます。

日本でも深刻な問題となっていて、仕方なく交換頻度を減らしたり、トイレットペーパーなどで代用したりする人もいるんだそう。
それは、どんなに心細いことだろう。

そしてもう一つ、災害リスクのこと。
日本の災害リスクの高さは環境省などのレポートでも示されていますが、ドイツのNGOがまとめた報告書では、世界で最も気象災害の影響を受けているのは日本だとされています。

調べてみると日本がとても消費が多い国だということが分かるけれど、モノが豊かにある日々は当たり前じゃないから。
今ある資源をできる限り大事に長く使う。そういう意識を日頃から持っていたいなと思います。

一気にスケールが大きい話になり、ピンとこない人もいるかもしれないけれど。
生理の貧困も災害も環境汚染も、けっして他人事ではない。
他の選択肢を知っておくことは、きっと自分を守ってくれると思うんです。

そしてそれはきっと、本来心地よいものだから。
自分の心地よさを追求したら、結果的に未来の自分のことも、地球のことも大切にしていた、、
そんな状態になれたら、嬉しいなぁと思います。

心地よいバランスを

我が家では、これだけ布ナプキンが身体にも環境にも優しいとわかりながらも、娘には紙おむつを使っています。

保育園では仕方ないとして、自宅で過ごす時間だけでも布おむつに、、と何度も思いつつ。
産後あまりに余裕のなかったわたしは結局踏み出せないまま、もうすぐトイレトレーニングが始まろうとしています。

おむつかぶれをした娘の肌や、たくさんの使用済みおむつを見るたびに、申し訳ない気持ちでいっぱいになることも。。
(ちなみにおむつの処理に関しては、消臭効果を謳うビニール袋にたくさんお世話になってきました。でも最近は新聞紙で代用しています)

そんな自分を擁護するわけではないけれど、許容すること、自分なりのバランスを探すことの大切さも感じています。

身体に優しい暮らしや環境に配慮した生活を心がける人の中には、そこに囚われすぎて苦しくなってしまう人もいると思うから。

とある調査では、環境に配慮した生活に切り替えることに対して、海外では「生活の質を向上するもの」と答えた人が約7割だったのに対し、日本では「生活の質を脅かすもの」と答えた人が6割だったそう。

負担を感じながらの生活は、継続するのは難しい。
完璧を目指して苦しくなったり、やめてしまったりするよりは、自分なりにその時できる範囲で気負わずやってみる。新しい価値観を楽しむ。そんなスタンスでいたいなぁと思います。

布ナプキンに興味はあっても、抵抗が拭えない人もきっといるはず。
他にもオーガニックコットンの紙ナプキンや、最近話題の吸水ショーツ、月経カップなど、今は色んな選択肢があります。

布ナプキンの中にも、素材やデザインなどお店によってさまざまで、使いやすさ、洗いやすさもきっとそれぞれ。
ちなみにわたしが愛用しているのは、コトリワークスさんのものです。
サイトから店主さんの想いがすごく伝わってきて、使い方も詳しく載っているのでオススメです。

何が正しい、何が悪いという話ではなくて、無意識に続けていた当たり前から、意思を持って“選ぶ”。
ちゃんと自分で選んだものは大事にしたくなるし、毎日に小さな幸せが増えていく気がしています。

幸せな循環

随分長々と書いてしまいました。
ここでシェアしたかったのは、ただケミカルなものをナチュラルなものに変えた方がいいよ、という話ではなく。
もっと根っこの部分にある大切なこと。
それは、自分の身体も地球も、みんな循環しているんだということ。

「地球は回っている」と言うけれど、地球上の一つひとつがみんな回っていて、歯車のように影響し合っている。

だから、それぞれが心地よい選択をして、繋がりをちゃんと感じて、循環していけたら。
きっともっと優しい社会になるんじゃないかなぁ。

布ナプキンから派生に派生を重ねて、わたしが見つけた感覚でした。
その気づきをくれたのが植物療法だったのですが、、それは、またの機会に。

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