就学

さて息子もいよいよ就学。

何らかの特性のあるお子さんをお持ちの親御さんは、我が子のためにいくつも学校を見学したりものすごい下調べをしていますよね。

これに関してはうかつだったとしか言いようがないのだが、私は何も策を練られていなかった。


横浜市などは全公立小中学校に「個別支援学級(=特別支援学級)」があるそうだが、うちの自治体は全校に特別支援級が設置されていないので、通学路圏内に特別支援学級がない場合もある。息子が入学する予定の小学校にも、特別支援学級がなかった。

じゃあ通学路圏内に特別支援級がない場合はどうするのかと言うと、越境をして、基本的に毎日保護者が送迎する。

そもそも特別支援級はIQ65以下の知的障害のある児童が対象であり、息子のような発達障害はあるが知的障害のない児童は、鬱などの二次障害や登校拒否などの「特例」が認められない限り、入学ができない(自治体にもよる)。

就学する前に学校に渡す「就学支援シート」には、保育園・発達支援センターの先生・療育の先生に協力していただいて息子の問題点をみっちり書いた紙を渡したし、就学前健診では教室を走り回ってテストに参加できず息子だけなかなか帰って来なかった。
にも関わらず、そのあと通された校長先生との面談で神妙な顔をして渡されたのは、特別支援学級への入学許可ではなく、またしても「発達支援センター」のパンフレットだった。

もうそれ行ってるし、なんなら全過程終わってるし、就学支援シートに児童発達支援センターの先生にも書いていただいたのだけど…。

たまにネットなどで「子どもの障害を認められず普通級をゴリ押しする親」が叩かれたり「子どもの特性を理解して早々に支援級を選択した親」が美談とされるが、実際は知的障害のない子どもにとっては「特別な支援を受けられる学級」はなかなかに狭き門なのである(自治体にもよる)。

同じ市内に住む、息子と同じく知的障害はないが発達障害があるお子さんを持つ親御さんは、就学前健診のときに「普通級で」と言われたけど、ゴリ押しして特別支援学級に入れたかたもいる。話を聞くと、「あなたはうちの子が30〜40人教室にみちみちの通常学級に入って二次障害を発病したら責任とれるんですかっ!?」と校長先生に食ってかって、特別支援学級への「特例」が認められたそうだ。逆にそのくらいの気合いがないとなかなか入れないのかもしれない(自治体にもよる)。


今思えば、私もそのとき校長先生の胸ぐら掴むくらいの勢いで特別支援学級をゴリ押ししておけばよかったと思う。

私ももちろん療育の先生や保育園の先生にも相談していたのだが、「息子くんは頭が良いし周りを見るタイプなので、通常学級がいいと思いますよ」という言葉を都合よく飲み込み、普通に特別支援学級のない通学路圏内の小学校に入学した。

まだ下の子が小さいのに加えて、親の介護、仕事、旦那の協力が一切なく完全にキャパオーバーしていたなど、いくらでも言い訳はできるのだが、仕事しながら保育園と小学校と、毎日二箇所送迎する自信がなかったのもある。


自治体によっては、知的障害はないが発達障害などで通常学級で学ぶのが難しい児童を対象をした「自閉症・情緒固定支援学級」もできてきている。(東京都の自閉症・情緒固定支援学級のある小中学校一覧

「特別支援教育」に力を入れている自治体もある。
全校に「特別支援学級」を設置することで、知的障害のない児童の転入のハードルを比較的ゆるくしている自治体もある。

「特別支援学級」のハードルがやたら高く、週1回2時間ほどの気持ち程度の通級、そのかわり高学年に上がるにつれ定型の子も一緒くたに成績別で分けた少人数指導にしていく、という自治体もある。

自治体によって差がありすぎるし、同じ自治体でも学校(校長)、担任によってもものすごく指導に違いがある。

もういったい何がいいのやら。
運か。

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