買取再販にて、中古物件をいくらで仕入れるべきか

不動産業者の方で、買取再販にチャレンジしてみたいけど、どういう物件をどのくらいの金額で仕入れたらいいか分からない!

または、一般の方で、リフォームがされていない中古物件を買って、自分でリフォームをして住みたいけれど、どのくらいの金額で買えばお得といえるのかが分からない!

という方は多いと思います。そこで、私が考える築年数ごとの中古物件買取金額を考え方込みで発表したいと思います。

字が…汚すぎるっ…

汚い字で申し訳ないですが(笑)、私はこんな感覚で中古物件を仕入れています。とはいえ、これだけだと意味わからん!だと思うので詳しく解説していきます。


築年数45年までの中古物件を購入する際の買取金額の算出方法について

まず、中古再販をする際に比較にするべきなのは中古物件ではなく、「新築建売住宅」です。中古物件というのは千差万別、間取りも、築年数も、建物の品質も物件ごとに大きく変わり、比較をするのが困難です。そのときそのときで、この物件はこの中古物件と比較させて~、とやるよりも、相場が固定化されている新築建売物件と比較する方が楽だし、効果的です。

では、どのように新築物件と比較するかというと、中古物件の築年数ごとに新築相場よりもいくら安く出すか、という考え方で算出しています。

図では、新築建売相場を「1680万円~1780万円」と想定しています。(地方の新築建売は本当に安いですね^^;) このような新築相場を比較させて、

築25年までの物件はリフォーム後に新築相場よりも400万安く(つまり、1280万円~1380万円が販売金額)、築25年~35年までの物件は500万安く(つまり、1180万円~1280万円が販売金額)、35年以上45年未満の物件は600万安く(つまり、1080万円~1180万円が販売金額)販売しよう。

といった感じです。

で、次に考えるべきは「いくらリフォーム費用がかかるか」です。これも築年数ごとに考えます。

築25年までの物件は外壁・屋根リフォームをやる必要性が無い場合が多く、かつ内部のフローリングなども貼りかえる必要性が無い場合が多いので、リフォーム費用は300万円と想定。築25年~35年の場合は、外壁・屋根リフォームが必要なことが多く、内部のフローリングなども傷んでいて重ね張りなどの処置が必要なことが多いのでリフォーム費用を400万円と想定。築35年~45年の場合は、外壁・屋根リフォームは必須、内部の建具などの交換工事など過大な費用がかかることが多いのでリフォーム費用を500万円と想定。

これに、全物件で諸費用(取得税、登記費用、取得税、測量、防蟻工事、金利、火災保険、固定資産税)が100万円程かかるとして、利益を250万円確保したいとすると、買取金額は下記のような計算式になります。

・築25年未満の場合・・・1680~1780万円 - 400(新築相場との比較分) - 300(リフォーム費用) - 100(諸費用) - 250(利益) = 630~730万円

550万円で仕入れて、リフォーム費用350万円、販売金額1280万円の物件です。

・築25年以上35年未満の場合・・・1680~1780万円 - 500(新築相場との比較分) - 400(リフォーム費用) - 100(諸費用) - 250(利益) = 430~530万円

350万円仕入れ、リフォーム費用450万円、販売金額1180万円

・築35年以上45年未満の場合・・・1680~1780万円 - 600(新築相場との比較分) - 500(リフォーム費用) - 100(諸費用) - 250(利益) = 230~330万円

250万円仕入れ、リフォーム費用450万円、販売金額1080万円

こんな感じの考え方で、私は築年数ごとの買取金額のベースを算出しており、このベースに対して個別要因(立地性、建物の保存状態、心理的歌詞、駐車場台数、土地・建物広さ)も考えて、最終的な買取金額を提示しています。

また、一般の人が中古物件を購入して自分でリフォームする場合、どのくらいの金額で買えれば良いのかというと、上記の利益部分をなくした金額以下で買えれば割安に買えたということになります。(築25年未満の場合は880万くらい、25~35年の場合は680万くらい、35年~45年の場合は480万くらい)


築年数が45年以上(昭和56年以前の旧耐震物件)の中古住宅を購入する際の買取金額について

昭和56年築以前、つまり旧耐震物件を購入する際は上記の計算方法は使えなくなります。それはなぜか、旧耐震物件は耐震診断証明書が無いとローン控除を使うことができなくなることで、一気に物件的価値が低下するからです。耐震補強は面倒くさいですし、なにより、このぐらいの築年数からは金額1000万を超える(地域の相場によります)とほぼ問い合わせがなくなります。

つまり、旧耐震物件については、クソボロ物件はクソ安く買って、クソ安く売れ!という考え方が必要になるわけです。

具体的には、私は旧耐震物件の場合は800万以下の販売金額にできるようにして仕入れています。(出来れば600万以下)

利益は200万円を想定し、諸費用は70万くらいを想定すると、「買取金額+リフォーム費用」が800-270=530万円に収まるように(立地などが悪くて販売金額を600万にしたい場合は、買取金額+リフォーム費用=330万円)金額を提示するということですね。

リフォーム費用が300万くらいで収まるような、もともとだいぶ手入れがされていた物件ならば230万くらいで提示するし、リフォーム費用が500万かかりそうなら30万円で仕入れる、といった感じです。

200万円仕入れ、リフォーム費用120万円、販売金額598万円
30万円仕入れ、リフォーム費用400万円、販売金額698万円

昭和56年未満の物件は、売れなくても賃貸で貸す、という戦略で行くのがよいかもしれません。本当に売れないです^^;弊社もほとんどボランティア的な感覚で仕入れています。(なんでも買ってくれるという評判を身に着けることで、よりたくさんの仕入れ情報をもらえている環境を作り出しているので、これも必要経費と割り切っています。トントン以上になってくれれば御の字)



以上が、私の中古買取再販における、築年数ごとの中古物件の買取金額算出法です。仲介営業マンや、個人の売主様に買取金額だけを提示すると、「こんな安いとかふざけているのか?」と思われたりして、円満の関係性を築くことができないケースが多いです。

上記のような計算式を営業マンや個人の売主様に説明できれば、納得いただけるケースも多いので、最低限「なぜ、この金額になるのか」を説明できるようにはしておきたいですね。(私は利益部分ふくめて全部言ってしまうタイプの営業スタイルです。会社の経費率とか人件費とか考えたら物件ごとに利益を250万ぐらいはとっていかないと普通に潰れてしまうわけで、相手がよっぽど理解力が無い人でなければ分かってくれます。)

中古再販はとにかく仕入れの件数を多くすることが大事です!多くの仲介会社を仲間につけられるように頑張っていきましょう!

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