災害時のネットリテラシー

石川県および北陸地方はじめ被災されたみなさまには心からお見舞い申し上げます。
長野県内でも最大震度5弱、松本市でも震度4を記録しており、自分はちょうどその時間東京の国立競技場にいたのですが、あとからその情報を知り驚いていたところです。

被災された方は申告を

まず最初に、自分たちも被災に遭っているんだけど石川県やほかの地域ではもっと大きな被害が出ているんだし自分たちの被害に比べたら…なんとことで被災に遭っていることを申告できないという方がいらっしゃるようですが、違います。
地方・地域、被害の大・小関係なく、被災に遭われた方は申告して良いのです。
なので、この地震によって長野県内でも被災に遭われた方は落ち着いたときで良いので申告をしてほしいと思います。申告をガマンすることによってそれがストレスになってしまえば元も子もないです。

で、なんでこのnoteを書いているかというと、地震発生時からのSNSの内容があまりに酷いと感じたんですね。いわゆるネットリテラシーなんですが、あまりに目に余るといいますか、たしかに被災された方々を心配する気持ちはわかるのですが全然関係ない情報まで流れてくる無法地帯状態だったんですね。

なので、このnoteは自分自身が見かけたことをひとつひとつ見直し、自分自身がそうならないためにも勉強し、そしてもし関心ある方がいらっしゃれば共有しておくというカタチにしたいと思っております。

2011年の東日本大震災から13年が経とうとし、風化させないという気持ちとは裏腹に人の記憶というのはどうしても忘れていってしまいます。
そして日本は災害が起こりやすい国です。もちろん起きないに越したことは無いのですが、起きてしまった場合に何回も同じことが繰り返されるので、しっかり記録を付けておければとも思っております。

こちらも参考にしましょう。


NHKの報道

NHKの地震・津波速報でアナウンサーが叫んでいた!不快だ!という声もあったようですが、それは東日本大震災の教訓から来ているわけで、命を守るために危機感を持った報道をするという訓練通りの放送です。
自分も国立競技場からの帰宅後に録画しておいたサッカー中継からの災害報道に切り替わってからの様子を見ていましたが、訓練通りの落ち着いた危機感の伝わる放送だったと思います。
そもそもこれが初めてではなく、東日本大震災からこれまで津波警報は何回か出ていますが、その際にもNHKでは強い口調で避難を呼び掛ける放送をしていました。なのでそのような批判が出るということは東日本大震災を知らない若い世代か、東日本大震災を忘れてしまった人なのかなと思います。
そういう批判する人たちは残念ですが、自分の命も他人の命も守れないかもしれませんね。そうならないためにも学んでいければと思います。

NHKではニュース・防災アプリを無料で提供していて、災害時には情報収集の手段として役に立ちます。
受信料払っていなくても誰でも利用できます。
こういうところに受信料が役に立っていると思うんですが、災害時のNHKの報道体制を考えれば受信料を納める価値があるはずです。しかし価値は人それぞれなので何ともですね。

人工地震と地震雲

100%あり得ないのですが、移籍噂情報アカウントと同じで不安に付け込んで信じてしまう人がいるのも事実です。
ガン無視で良いと思いますし、相手にしたら思うツボですよね。

なんでもかんでもリポスト

被災された方に情報を届けるということで多くのリポスト(リツイート)が見受けられましたが、それって本当に必要な情報でしょうか?
そもそも、そのリポストした情報は本当に真実なのでしょうか?
なんでもかんでも流れてきた情報を真偽も疑ずにリポスト、あるいはその情報を誤解して情報を捻じ曲げてしまっても誰も得をしません。
それにリポストした情報はもし自分自身が被災してしまったときに実践できる内容なのでしょうか。
誰かが言っていた情報だから自分には関係ない、では情報を垂れ流しているだけに思います。
大きな災害の後なので感情的になるのは致し方ないのですが、ひと呼吸置いてもう少し冷静になれないのかなと思いました。
(自分も過去経験があるので自戒です)

個人情報の漏えい

「助けてください!〇〇県〇〇市****」
「人が取り残されています!〇〇市****」
そのようなリポスト(リツイート)が多く見受けられました。
でも、それって本当にそうなんでしょうか?
これもそうなんですがみなさん事実であることを確認しているからリポストしているのでしょうか?
それに命にかかわることなら平気で見ず知らずの赤の他人の住所や氏名を晒して拡散してもよいのでしょうか?
百歩譲ってそれが真実だとしても、それを見た人たちが一斉に役所などへ通報したら回線がパンクしますよね。同じ情報が何度も来るのは当然ですよね。それにそんなことをやっているから通報がつながらないわけじゃないですか。
それに、大きな災害のあとに被災地域に来るのって災害派遣の方やボランティアの方々と一緒に空き巣や泥棒も来ているんですよ。
その空き巣や泥棒たちにわざわざ住所と名前を教えていることに気が付いていないんでしょうかね。命が助かっていざ自宅に戻ったら空き巣に荒らされていたなんてさらに傷口に塩を塗りたいのでしょうか。
感情的になっている時こそ物事を冷静に判断したいものです。

報道ヘリ

災害が起こると必ず、報道ヘリが来るとヘリコプターの音で救助に影響が出るから来るな!みたいな話が出てきます。
たしかに昔はヘリを近づけないとカメラが撮りきれないということもありましたが今ではそれも緩和し、ヘリから遠くても撮影ができるようになっているようです。
それに、ヘリが来なければ来ないで、こちらも被害が出ているのに全く報道すらされない!なんてことになるので、ヘリが来ても騒ぐし、来なくても騒ぐしなので、まあ困ったものです。

テレ東

各局が災害報道を流しているなかテレ東が先に通常放送に戻してさすがテレ東!なんてポストも見られました。
たしかに各局が一斉に災害報道に入ると滅入ってしまう気持ちは理解できます。
なぜテレ東が先に通常番組に戻せたのかはお分かりのとおり、石川県はじめ被災された各県にテレ東のネット局が無いので、キー局だけで情報収集しないといけないんですね。で、さすがにそれだけでは限界があるのである程度報道した時点で通常放送に戻れたわけです。
逆に言えばネット局が無いなら通常放送で報道しなくても良いのでは?と思うかもしれませんが、それだとテレ東は震度7でも大津波警報が発令されても一切報じないテレビ局として逆に批判されてしまいますよね。それはテレ東にとって良くないことです。
それと同じでなんで各局が地震報道やっているんだと思われますが、まずは各キー局それぞれ各県にネット局があってそこから情報収集して全国に発信していくことと、それに被災した県の局が災害情報やっていないとそのお住いの県民からクレーム来ますよね。そういうこともあると思います。

それともうひとつ気になったのが、これだけテレビ離れだ、テレビはオワコンだ、と言われていながらめちゃくちゃテレビに需要持っているわけじゃないですか。そりゃたしかに正月特番楽しみにしていた方や、帰省や家族集まっているので家族団らんでテレビ見るといった方も多いと思います。
普段はYouTubeやネット配信でテレビを見ている時間は減っているはずなのに、報道特番が重なり、ならテレビ以外の選択肢もあるはずなのになんだかんだでテレビに需要を求めているというのはなかなか興味深いことだったのかなと思います。

自粛は止めよう

今でも大きな災害時には自粛します、自粛しろなんて話が出てきますが、他人に対して自粛しろはまあよくそんなことが言えるなと思います。
コロナ禍のときもそうでしたが、平気で自粛を求める光景はいまだに残っているようです。というか、中止にした際の費用とか自粛したことによる損失が発生したらその人が代わりに負担してくれるのでしょうか?
口は出すけど金は出さない、まして顔も知らない交流もない人には要注意です。
自粛は他人に求めるものではないです。

被災地支援

大きな災害の後には支援をしたい!とおっしゃっる方も多いです。
大変素晴らしいことなのですが、自分は絶対に送るならモノより金と言い続けます。
なぜなら、日が経つにつれて被災地での需要が変わるからです。
みんなで同じものを送ると、いずれ供給過多になるか不要になり、結局処分されてしまうし、それを処分するのにお金がかかるのです。
お金だと何にでも変える(買える)ことができるので、そのときそのときの需要に合わせたほうが選択肢が増えるし柔軟性があります。そちらの方があきらかに良いのです。
どうしてもモノが送りたければそもそももう車に積んで運び始めるくらいのスピード感がないとあっという間に供給過多でそもそも受け入れてくれなくなります。何を送るかいつ送るか考えている時点でもう手遅れです。
それならお金として送る方がはるかに良いです。
ただし、義援金を装った詐欺にも注意です。
ちゃんと信用・信頼できる機関にお任せしましょう。

千羽鶴

災害時に毎回議論になるのが千羽鶴です。

まず一刻も早く生活を元に戻すために物資よりも先に千羽鶴が行ってしまうのはさすがに良くないでしょう。
しかし、避難生活が長く続くと精神的サポートも必要になってきます。
なので、それからあとでも必要となる時があるのです。

キャッシュレス

ときどき災害時に現金ないと困るから俺は現金派だぜという方がいます。
しかし、災害時にどれだけ現金を持っていられるでしょうか。
停電時にATMは稼働しているのでしょうか。
避難時に家から現金を運び出す余裕があり、避難所でもその現金を盗まれない自信はあるのでしょうか。
それに先に書いた通り大きな災害の後に自宅へ来るのは災害支援とボランティアの方と空き巣と泥棒です。
自宅に現金あると盗まれる可能性も高いです。

おわりに

以上、前々から気になっていたことに加えて今回の災害のネットリテラシーが気になったので書いてみました。

災害は忘れたころにやってきます。
そして多くの方にネットリテラシーを理解してもらえればと思います。

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