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思い出補正抜きでビートルズのアルバムをランク付けする試み-前編

私はビートルズをものすごく愛しています。普段のツイートからそれについてはものすごい、というかしつこいぐらいに伝わってくると思います。
ですがそれゆえに色眼鏡のようなものをかけてしまっている、とも同時に思うわけです。「全部好き!」という言葉で、深く聴き込んで批評することを忘れてしまうのは、何か満足しません。ですので、今回はそのモヤモヤを解消すべく、思い出補正一切抜きでビートルズのアルバムを格付けしていこうと思います。かかってこいやビートルマニア、という感じで。
ということで、まず結果です。

D-あんまり C-普通 B-好き A-結構好き S-名盤

※Yellow SubmarineはDです
ああもうこの時点でぶっ殺されそう。
正直With The Beatlesのランク付けには迷いましたがそれ以外はスパッと決まりました。一番好きなのはRubbersoul、最下位はYellow Submarineかな〜…という感じ。
では細かくレビューしていきましょう。

第13位 Yellow Submarine


これは多分予想ついたんじゃないですかね。本当に問題発言をすると、このアルバム通して聴いたの多分一回くらいです。むしろ映画のサントラの方が聴いてます。
このアルバムに入ってる普通の曲も使い回しが多いのがあんまり好きじゃない理由の一つです。それでもMagical Mistery Tourで感じられるようなサイケデリックな風味を味わえて良いのですが、まあYellow Submarineが浮きます。なので統一感とかアルバム聴いたあとの満足感が薄いんです。
後半のジョージ・マーティンの曲も正直印象はすごい薄いです。一曲一曲に弱さを感じちゃう。

総評価としては全体的に薄さを感じる、といったところでしょうか。

ですのでこの順位となりました。
少し言い過ぎたかもしれませんが、このテンションでレビューを続けていきますのでご了承ください。

第12位 Magical Mistery Tour


殺意を抱かれそうな順位ですね。
このアルバムA面は本当に最高です。すげーサイケデリックな感じして。
中でもジョン・レノンの「I Am The Walrus」はマジでやべえ曲だと思います。良い意味で。後ろで鳴ってるストリングスはこの曲のサイケサイケな雰囲気を余計広げていて面白いです。多分、ストリングスは「A Day In The Life」「Eleanor Rigby」ぐらい最高なものだと思ってます。中期の良さは色々あるけど、この程よくストリングスを混ぜてくるスタイルの確立もあるんじゃないかな〜〜
曲は「Blue Jay Way」「You Mother Should Know」が好きです。訳わからん雰囲気が全体に漂っていて、聴いてるとかなり楽しいです。

ですがB面があんまり好きじゃないんです。

「Strawberry Fields Forever」「All You Need Is Love」といった名曲があるのに何いってんだとか思われそうですが、これだけは譲れないです。
曲の一つ一つはすごい好きです。ですがこのB面ただのベストみたいな感じで終わっちゃってるのが納得いきませんね。いやまあ、元はEP2枚組での発売だったのに、アメリカがそれが古いからってLPで売ろうぜって言ってシングル既発の5曲を突っ込んだのがなんか主流になってるのがもうなんかモヤモヤします。それでいいのか本当に。

総評価:A面とB面の曲自体は最高。

第11位 Let It Be


これはもはやなんか好みです。正直後々に出る「Naked」は大好きなんですが、こっちの方は正直そんなです。曲はどれも名曲だと思っていますし、「I've Got a Feeling」は言うまでもなく、「Dig A Pony」のような隠れた良曲が収録されてるのも良い。ですが、、、

フィル・スペクターのアレンジがビビるぐらいに肌に合わない。

これが一番でかいです。もっともそれを感じるのが「The Long And Winding Road」。もうなんかストリングス効かせすぎててダサいの域です。
何が腹立つかってバックの音がバカでかすぎて主体であるはずのピアノとかが前面に来てないことなんですね。STARWARSのシスの復讐の最後のシーン(伝わるかな…)みたいなドラマチックさは感じますが、音楽作品でここまでドラマチックな雰囲気が押し出されていると辟易します。
なんかポールの声の輪郭が不鮮明になってるのもなんかあんまり好きじゃないです。
曲順もちょっとなんかモヤモヤが残ります。最初にTwo Of Usを置いたのはまあ悪くないんじゃないかとは思いますが、
Across The universeが三曲目にいるのがちょっとん!?ってなります。まあまだそれは良いんですが、Let It Beが六曲目!?ここで来ちゃうの!?という印象を受けます。こんなん歴史に残るような大名曲なんですし、もっといい位置に置いた方が歯ごたえがある仕上がりになる気がします。

一番腹が立ってるのがDon't Let Me Downのカットですね。この曲本当にすごいかっこいいのになんで外しちゃったんだよ、と。シングル既発曲だしまあ…という意見もありそうですし、私自身もさっきまで「取り敢えずシングル突っ込んどいたようなアルバムはつまらん!」って言ってましたが、それでもDon't Let Me Downは必要だったように思えます。

総評価としては「好みじゃない」の一言に尽きます。

第10位 Help!


さて、ここに来てHelp!です。
Help!は本当に初期の中でも印象的なアルバムです。表題曲の「Help!」から始まり、アップテンポで楽しいロックが続いてきますが、「You've Got to Hide Your Love Away」や「I've Just Seen a Face」などのフォークチックな曲も素晴らしく、中々いいアルバムです。
ただ正直微妙な曲もちょっとあって、正直ポールの曲は「Yesterday」と「I've Just Seen a Face」以外全部微妙に思えます。ちょっとこの辺のポールはあんまり…って感じる。ジョージも正直微妙です。「I Need You」はもうなんかジョンの曲に隠れちゃってる印象を受けますし、正直ミドル部分であんまりガツンと来てくれないまま終わっちゃうのが寂しい。
ですがジョンの曲は本当に名曲揃いです。「Help!」「Ticket To Ride」はもちろん、「You're Going To Lose That Girl」も最高です。
初期の爽やかさと中身のネガティブさがちょうどよくマッチしており、曲の良さを引き立てています。「Help!」なんかまさにそうなんじゃないでしょうか。
あと印象的なのは「Act Naturally」と「Dizzy Miss Lizzy」です。
人の曲をカバーするのはこれが最後なのかぁ、と思うとなんだか少し寂しいですが、それでもしっかりと魅せてきてくれます。後者のジョンのシャウトなんかもう本当に最高で、やはりジョンはロックンロール少年なんだなと再確認させられる。

総評価としては、ジョンがとにかくすごい。といった感じ。

第9位 A Hard Day's Night

お次はこちら。
こいつはもう本当にジョンのアルバム!といった感じなんですが、こっちはHelp!と違ってポールがかなりすごいです。
ポールがすごい曲として印象的なのが「If I Fell」です。曲自体を書いたのはジョンなんですが、この曲のジョンとポールのボーカルは本当に綺麗で、特にポールの高音が本当に美しい。
「And I Love Her」もポールの声が綺麗で曲の良さを引き立てています。
さて、その二曲とは相反するような一曲、「Can't Buy me Love」ですが、これ本当に大好きです。このアルバムに入ってる音源だとそんななんですが、ライブ音源とかだとポールが力強くシャウトしていてめちゃくちゃかっこいい。あとこのアルバムのかっこいい曲だと「Things We Said Today」もあると思います。これはポールの曲の中ではなんだかクールな感じがしますが、イントロのジャカジャン!って音がすごいかっこよくて好きです。ミドル部分もかっこいい。

全体的にこのアルバムはギターがすごい良いと思っていて、「A Hard Day's Night」のギターソロや、「I'm Happy Just To Dance With You」のイントロ、「Tell Me Why」「You Can't Do That」などなど、初期のビートルズのアルバムの中ではかなりギターが活躍してる曲が多いっていう印象を受けます。

とここまでべた褒めしてきましたが、なんでこの順位に置いたのかと疑問を抱いた方もいらっしゃるんじゃないかと思います。
なんでしょうか、このアルバムかっこいいし印象的な曲が多いですが、如何せんBGM感が否めないんですよね。印象的だけど、音楽作品としての重みを感じるかといったら、正直そうではない。曲突っ込んだアルバム感しますし。それと、没入感に欠ける点もこの順位にした理由の一つです。
多分全部ライブで聴いたら相当没入できると思いますが…

総評価としては曲は良いんだけど…という感じ。

第8位 Abbey Road

もう炎上しそう。B面メドレーやジョージの「Something」「Here Comes The Sun」などがものすごい評価され一部では「最高傑作」とも名高いアルバムですが、正直順位付けするとここに来ちゃいます。

このアルバムの良さはなんだかんだ言ってすげーよくまとまってる点だと思います。音楽作品として完成されていて、聴いたあとの満足感は尋常じゃないですし、一番最後にレコーディングされたアルバムであると考えると、寂しさすら感じます。ボーナストラックの「Her Majesty」の静かな空間の中にポールの声とギターの音だけが鳴っているような感じが、余計ファンのそういう気持ちを煽りに来ています。悲しくなるだろオイ。
A面は名曲揃いです。特筆したいのは「Oh! Darling」「You Never Give Me Your Money」ですね。ポールのシャウトがとにかくかっこいい。それに、曲中を駆け巡るベースラインも中々のもので、最早ギターより目立ってるんです。そこがもう面白いんですよ。ポールの曲の良さを全部詰め込んだみたいになってるんです。
「You Never Give Me Your Money」はもう大名曲だと思います。「Because」が終わって、無音になり、静かなピアノが鳴り始め、ポールが歌い出し…そこから映画のように曲調がコロコロと変わっていくさまは本当に見事です。「Happinnes Is A Warm Gun」なんかもそれでしたが、個人的にはこっちのほうが好きです。なんたってギターもベースもピアノもボーカルもドラムスも何もかもかっこいいんです。とにかく四分だけで得られる満足感が半端じゃないです。

B面メドレーはもう圧巻です。さっき取り上げた「You Never Give Me Youe Money」から始まり、「Sun King」からどんどんメドレーが展開されていくのが本当に良い。そこからすごい短い曲が何曲か入って、「Golden Slumbers」にたどり着いたときは感動しますね。
「The End」はガチで大好きです。リンゴのドラムソロがあって、そこからメンバーひとりひとりがギターソロを披露していくという構成が秀逸です。個人的にはポールのギターが好きです。

さてここからですが、このアルバムのどこが気に入らないかって、ジョンの曲が正直全部微妙なところです。「Come Together」はかっこいいと思いますが、正直他がうーんという感じ。
I Want Youなんてもう怖いの域ですね、どうしてこうなった…
そこら辺を加味するとこの順位です。ごめんね。

総評価は素晴らしいけどもう一歩!という感じ。


ということで8位までランク付けさせていただきました。後編は多分そのうち出します。
あくまで個人的なランキングですので、は?って思っても見過ごしていただけるとありがたいです。



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