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アラサー女子、目指すはマッターホルン①

憧れの国

日本中、いや世界中で旅行どころか家の外に出ることすら許されなかった、あの流行り病が広がる前から行ってみたい国があった。

今まで海外旅行は10カ国程度行っていたがヨーロッパには行ったことがなかった。都会疲れをしており、人混みが苦手なので、ヨーロッパの中でもメジャーな都市にはあまり興味がなく、それよりも雄大な自然の中で深呼吸をしたいと考えていた。
北欧も候補として考えていたのだが、20代前半に“登山女子“という言葉が流行った頃から軽いハイキングや登山にハマり、山の魅力に取り憑かれていたのでヨーロッパの中でも山々が広がるスイスは一度行ってみたいとずっと憧れていた。

しかし世界一物価が高いと言われているスイス。そんな簡単には行けないと感じお金を貯めようと旅行貯金を始めていた矢先あの流行り病が、、、。まあ貯金するには絶好のチャンス。いつか当たり前のように海外旅行に行ける日が戻ってきたら絶対スイスに行ってやる!と決めていた。

あれ、思ったより前置きが長くなってしまった。そろそろスイスの話に持って行きたい。

いざスイスへ

何がともあれ2023年になり徐々に規制が緩和され1月の時点でスイス行きを決めていた。最初は一人旅にする予定だった。
しかし以前一緒にアメリカ横断した時に一緒だった友達に『GWにスイス行こうと思ってるんだ』と伝えると『私も一緒に行きたい』と簡単に言われそれから何だかんだで女子3人旅となった。

とりあえず飛行機のチケットを2月頭に取った。
スイスについて詳しく調べたのはそこから。
そして衝撃の事実を知ることとなった。

なんと5月は観光のオフシーズンだったのだ。
ネットや旅行本を見ても『5月はレストランやホテルが閉まっている』と書いてある。それからブログなども探したが5月にスイスに行っている日本人が全く見つからない。
スイス人が発信するYouTubeの観光案内チャンネルを見てみると5月の旅行は『運試しみたいなもん』と言っていた。
コロナの3年間スイスについて調べとけよ、と言われたらそこまでなのだが、その辺の詰めの甘さが私なのだ。もう飛行機はとってしまったのでとにかく行くしかない。

目的までの長い道のり

そして何がともあれ2023年ゴールデンウィーク。ついにスイスに向けて出発。

シンガポールで飛行機を乗り換えドイツに到着し、ドイツから電車でスイスに入国という旅工程だ。こんな遠回りをしなくてはいけないのは旅費を最低限に抑えた貧乏旅の為だ。コロナの3年間貯金んしたはずでは?と私も思ったが、結果的に貧乏旅になっているということは、それが答えなのだ。

身内ネタ的にはシンガポール、ドイツでも忘れられないような出来事があったのだが、今回はあくまでもスイスがメイン。
ドイツからBD会社の鉄道に乗り、約7時間かけて目的地であるグリンデルワルドへ。

グリンデルワルドはアイガー、メンヒー、ユグフラウという有名な山の麓の町。

グリンデルワルドが近づくにつれて見えてくる景色は私の気持ちを高揚させた。


目的地まで30分くらいになってくると、鉄道から見える風景が特殊能力を使わずともその山の高さが3000mをはるかに超えていることがわかる。山々が見えてきてあとは、街が出てきた。街の建物は木造で雪国に対応したような高床の可愛らしいお家、春の日差しを浴びてぐんぐん伸びているセイヨウタンポポと青々とした雑草たち。それから雪解けの白濁した水が流れる川と、そこから冷やされた風が車窓から入ってくる少しひんやりとした澄んだ空気。カウベルをぶら下げた牛たちや暖かい季節に向けて毛がかられているアルパカ。どこをとっても最高すぎる春のスイスが広がっている。何より心配していた天気だが、私たちを歓迎するような快晴。

車窓から感じ取れるスイスがスイスを濃縮しているようで、これまで散々飛行機、鉄道に乗っていて移動に疲れ切っていたはずなのに、このままずっと乗っていてもいいと思えるくらい空気、景色、風など全てが心地よかった。

第一の目的地

長い長い道のりを経てやっとの思いで一番初めの目的地についた。時差がありうまく計算ができないが日本を出発して軽く48時間以上は超えていたと思う。

あー私は本当にスイスにきてしまったんだなー。とじわじわと実感。

着いたのが15時頃で、日没が20時頃なので、日が暮れるまでは街の探索や翌日乗るゴンドラのチケットを買うことにした。
ゴンドラのチケット売り場に行くまでの何気ない、田舎の坂だらけの街を歩いているだけでも私たちの口からは『あー最高。』こればっかり。本当に語彙力がないなーって思うけど、いいものを見た時や幸せを感じた瞬間って言葉にしたくなくて、どうにか間を持たせるだけの端的で的確な言葉として『最高』を使ってしまうのだと思った。無言でも気を遣わない仲の友達なので言葉にする必要もないが共感したいという気持ちもあり『最高』と言い続けてしまったのだと思う。

まさかのここまでで2000文字越え。
後半に分けて書きます。

#わたしの旅行記

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