M-1グランプリ2020を心待ちにする

史上最高の大会になる?

今年のM-1はひと味もふた味も違う。
過去最高と謳われた昨年の大会を色んな意味で上回るポテンシャルを秘めているのだ。開催まであと1週間。溢れ出るワクワクを抑えずに、今大会の魅力を綴っていこう。

魅力① 絶対強者不在

昨年は正直いって優勝するであろうコンビが限られすぎていた。私は準決勝を見た時に、優勝するのはミルクボーイで堅いという確信があった。そんなの今更後付けだろと思われても仕方がないのだが、準決勝観戦者の大多数が共感できるのではないか。2本目も同じパターンで行けるのか、和牛/かまいたちが貫禄を見せるのか、懸念点は探せばいくらでもあるのだが、それでも優勝に相応しい漫才が出来上がっていた。

今年の準決勝も相当にレベルの高い戦いだったが、ミルクボーイのようなずば抜けたコンビは浮かんでこない。正直、誰が決勝に駒を進めても異論のないクオリティだったのだ。つまりこれから誰が優勝するのか検討もつかない。例の如く笑御籤に委ねられるウエイトは大きすぎると言っていい。

誰が優勝するのか分からない。賞レースに欠かせない要素がまず1つ。

魅力②覆る勢力図 東高西低+‪‪α‬

今年の9組をざっくりと東西分けしてみると、
関西勢が2組、関東勢が7組と関東芸人の強さが際立つ。

単純に準決で残ってた数が関東の方が多かったんじゃね?と思った方の為に。
準決の芸人で分けてみると、なんときっちり東13組、西13組となるのだ。深堀すればするほど、関東勢の仕上がりがいい事がわかる。

昨今の人を傷つけない笑い(笑)みたいなスタンダードに絆されて、語彙のキツい関西弁がビハインドを負っているのかは定かではないが、この流れを鑑みるに、関東芸人から優勝者が出るのではないかと考える。

※ニューヨーク、おいでやすこがは片側が関西人だけれど、拠点が関東だし。。。とかウエストランドも岡山出身だけども標準語漫才だし。。等々の微妙な裁量はあり。

魅力③ 悲願の突破 SMA&タイタン

吉本主催の大会なのだから、他事務所にも間口を広げることについては懐が深いとしか言いようがない。それをふまえても、小さい事務所からスターが生まれることもM-1の醍醐味だ。そういう意味でも今回は吉本勢以外にも注目したい。(吉本より小さいって意味でさーね。)

東京ホテイソン(グレープカンパニー)
錦鯉(SMA)
ウエストランド(タイタン)
※昨年の非吉本はぺこぱのみ

特にSMAとタイタンからの決勝進出は今回が初だ。
SMAはコント王者バイきんぐ、ピン王者ハリウッドザコシショウを擁す。漫才王者の誕生にも自然と期待が高まる。
タイタンの顔は言わずと知れた関東漫才のビッグボス、爆笑問題だ。その膝元で漫才師を名乗るからには、トロフィーを持ち帰らない訳には行かない。

魅力④ 敗者復活戦 知名度に抗う猛者たち

先述の通り準決勝のレベルは常軌を逸していた。傾向的にラストイヤー勢はなんだかんだ準決まで残るのが常なのだが、今年は実にシビアで、ちょっとの甘えも許されない布陣だった。
ラストイヤーでいえば
・藤崎マーケット
・三四郎
・Dr.ハインリッヒ
などが準々決勝で敗退する結果に。
残っているのは学天即のみに。

またお茶の間の人気者達も次々と落選し、四千頭身やミキ、アインシュタインなど実力も折り紙付きのコンビも後塵を拝している。

つまりは、シンプルに面白かったコンビが、知名度関係なくしっかりと残ってくれているのだ。最近の敗者復活戦は視聴者投票である事から、和牛やミキなど、知名度の高いコンビが這い上がってくることが多かった。その人気は各々が努力で勝ち取っているものだから、誰にも否定する権利はないが、本当に面白いコンビがくすぶり散る姿を見るのもまた辛いものがあるし、興味のないネタを見ずに好きなコンビだけに投票している輩もいるはずなので、そういうチンケなファンには常日頃からやり場のない憤りを感じている。
そういう意味で今年は知名度的にはかなりフラットだし(よく見たら、ぺこぱがおるな。。。)、誰が勝ち上がっても恥じることの無い敗者復活組となっている。これだけ混戦になれば、敗者復活からの優勝も十分に有りうる大会となっている。

個人的には視聴者投票は全く欲してないし、1度負けた組は強制的にトップバッター位のルールでもいいと思う。

むすび

私も準決勝を観戦してきた1人である。くどいようだが本当にレベルが高かった。
懸念があるとすれば、毎度のことだがテレビ越しに各コンビがどう映るか、決勝の客層にどのようにウケるか。という所だろう。特に今回は掴み重視のコンビが多い。ハマれば天国、スカせば地獄。取り返しのつかない自体に陥る可能性もある。でもあれだけ笑わせてくれたのだもの。決勝の舞台で、全組がお茶の間を爆笑の渦に巻き込んで最高の大会にして欲しい。

長くなってしまったので、個々の見所は別の記事にて。準々決勝までに敗退したお気に入りのコンビも別途更新予定。

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