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THE W 2022の感想&審査員寸評 

1.優勝は「天才ピアニスト」

6回目を迎えた女芸人No.1決定戦THE W2022
激戦を制し、昨年の雪辱を晴らした天才ピアニストが栄えある女王となりました。あり得ないけど日常を切り取ったような、情景が浮かぶ絶妙なラインが多くの人の笑いを誘うのだと思いました。本当におめでとうございます。

2.いろいろと刷新しようよ

出場者には何の不満もない。むしろM-1よろしく、この大会のおかげで女性芸人のレベルも格段に上がっていっているのは間違いない。年々笑うポイントも増えていき、視聴者側としても見る価値のある格調高いものになっている感じはある。しかしながら、色々と改善してあげないと逆に女芸人は辛いだろうなと感じるところは少なくない。

採点方法は以前にも述べた通り。
勝ち残りにも視聴者投票にも納得できない節がある。
2020 2021
「予選ブロックをパーフェクトで勝ち上がった」とか、「勝ち残りなので1組目にもチャンスがある」とか言っていたが、的外れにもほどがあると思う。パーフェクトになるのは相対的なものでもあるし、トップバッターにはビハインドがあることはもう前提条件でいいではないか。

審査員の男女比も、友近1名では女性の大会としてあまりにも寂しい。せめて過半数は女性でも良いのでは。

M-1との間隔が短すぎる。ヨネダ2000は次週にM-1の決勝を控えている。仕上げた漫才を今日披露するなんてできるわけもなく、結果的にコントで勝負せざるを得ない。女芸人の為の大会が、逆に女漫才師への足枷にもなっている。これは本格的に開催時期の調整に動くべきではないだろうか。逆に漫才で優勝する芸人が出てきたとしても、「あ。同じネタでもM-1では敗退したのね。」となるのも釈然としない。

BGMを流れたり止まったりというポイントが散見したのだが、意図的なものなのか。どちらにせよ制作として論外だろう。気になった視聴者は少なくないはず。

3.漫才に勝ち目無し?

勝ち残りの弊害か、ルール無用の宿命か、とにかく漫才が苦戦する大会だ。芸人サイドもインパクト優先で漫才に見切りを付けている感もある。一方で漫才を決勝に残さないというのもテレビ的に如何なものか。どちらにせよ、この大会が今のまま存続することは難しいように思う。

4.裏の応援配信がよさそうだった

さらば森田率いる大会公式サポーターと歴代女王で繰り広げる裏配信がかなり良さそうだっだ。CM中しかちゃんと見れなかったが、かなり密度の高い話をしていたようだ。再視聴はするが記事に残す余力があるか。。。この点もM-1と間隔をあけて欲しい理由でもある。4大賞レースは3ヶ月ごとにして頂きたいものだ。

5.各ネタ感想。審査員寸評

※誤字脱字雑文、ご容赦ください。

Aブロック

事前予想はヨネダ2000。結果はAマッソが面白かった。

1.TEAM BANANA 「ツイート」

M-1 3回戦のネタ
上質な漫才。毒舌漫才は好きな方ではないが、最近徐々に二人の掛け合いに毒されてきた気がする。M-1準々決勝の「TUBE」は最高だった。

田中:いつもと違い後半にちゃんとマックスポイントがあった。
友近:安心して見れた。
塚地:正統派漫才と不条理うんこコント。仕上がり具合がよく技術面を評価

2.ヨネダ2000 「トイレ」

M-1との同月2冠に期待だった。このハンデで準優勝は女芸人として頭1つ抜けている。
発想と楽しさのハーモニー。展開に対して笑いどころの弾数が少し足りなかった気が。子供の視聴者票は固いネタ。

田中:良かったが出番は荒らしてきた
川島:審査員としては2番目に出てきて最悪。TEAM BANANAが舗装した道を全て壊していった。
野田:展開にまぎれ段取りが多いネタだったが完璧にこなしていた。
友近:最初のインパクトが忘れられない。

3.さとなかほがらか 「コールセンター」

ネタの構成が簡素で分かりやすかったけど、毒素少なめで少し物足りなかった。

哲夫:僕も保留音嫌い。あの時間で通話料が加算される。共感性があり、展開もある
田中:演技力が抜群。ほんとにヤバイ人になる経緯がなく感情移入の面で足りなかった。
塚地:トーン、メリハリ、口の形まで表情が良かったが、ヨネダのインパクトが残っている。

4.Aマッソ「面接」

野田:ヨネダと差はない。ちょっとした好みになってしまった。
田中:設定も時代に合っていたし落ちも決まった。村上の異常な自信に説得力もあり、ほぼ完璧という印象を 。
友近:最後までクオリティを保っていた。

Bブロック

事前予想は天才ピアニスト。結果はスパイクが面白かった。

1.天才ピアニスト「喧嘩」

おばちゃんが出てきた時点で面白かった。最初の顔見せで会場をしっかり掴んだ気配がした。

川島:天ピはネタが良かった。爛々は二人が面白かった。完成度で天ピに投票。
塚地:でてきたときから既にクスクス。そこから全ボケ拍手笑いで理想の笑いの取り方だった。
田中:2人のバランスがよかった。ツッコミが異常にうまい。
哲夫:

2.爛々「好きな人」

M-1 3回戦のネタ
2人の風体がかなりいい。一生漫才で食っていくんだろうなという魅力がほとばしっている。
チョメも年の差も使わなくても余裕で戦える構成。締め方もめちゃくちゃかっこいい。

塚地:2人の存在が浸透してきたら無敵
田中:つっこみすぎとおもったが途中から面白くなった。

3.スパイク「新人バイト」

ミュージカル調で最初にツボってしまい最後まで飽きずに笑ってしまった。
ルックスの良さがギリ活きてる構成の塩梅が非常に好み。

哲夫:非日常と日常の対比が良かった。
塚地:憑依型のボケで素が見えなく相当入り込んでいる。入り込むボケと外に向けるツッコミのバランスが良かった。おばはんとプリンセス、おばはんの方があるあるの浸透度で一枚上手だったため天ピに投票。

4.フタリシズカかりこる「通話」

ニューヨークchでかりこるがネタ作り担当と知り驚愕した。ずっと笑ったのだけど展開が想像の範疇で終わってしまった。やはりピンだとやることが限られてしまうし録音に頼ってしまうなと感じる。

川島:性格を表すようできっちりまとまっていたが、完璧すぎた。ごはんで言うとおこげの部分欲しい。天ピの仕上がりが良すぎた。劇場とと違ってテレビ越しだと音のずれが少し気になる。
友近:生放送でよくもってきたなと。
哲夫:変顔がいい。生の声で笑いを散りばめて欲しかった。


Cブロック

事前予想はにぼしいわし。結果は河邑ミクが面白かった。

1.河邑ミク「テスト」

ネタが面白くて笑う+可愛くてにやけてしまう対男性最強芸人。カメラで寄せて顔のアップをうつせたり、曲でペースが崩れないのでかなりテレビに向いてるネタに感じた。

田中:大きな笑いを作るのが難しく工夫が見えたが。
塚地:音に合わせてあてぶりで緻密なネタだったが、その分遊び代が無かった。

2.エルフ「タメ口」

折角のギャルキャラが勿体ない感じはある。既にキャラが付与されていてコントの幅が狭いので漫才勝負の方が強そう。

田中:設定が絶妙
塚地:笑いの重ね方が良い。
川島:森泉さんに見て頂きたい。荒川の投げかけで観客を巻き込めたのが良い。

3.紅しょうが「ゴミ捨て場」

けっきょく漫才あきらめたのかなという感じが寂しくもあり、コントの方が断然面白いという新たな発見。

哲夫:今日一番の爆発があった。どっちもボケる展開もさすが。
野田:どちらも仕上がり倒していたが、紅しょつがの方が4分の使い方に勝っていた。
友近:エルフのはるの空気もよかったが、紅しょうがのパワフルさ、やさぐれ方、ワード、全て良かった。

4.にぼしいわし「水族館」

M-1 3回戦のネタ。大好きなネタだけど紅しょうがに完全に食われた感あり。コアなお笑い好きにはたまらないが地上の観客にアジャストすることが課題か。

田中:はいりがよかった紅ショウガがよすぎた。
塚地:アニメのようなキャラとツッコミのセンスが相当面白かったが、紅ショウガの気迫熱量も含め紅ショウガに投票
川島:ハマったら強い感じがしたが紅しょうがの執念が勝った
野田:漫才として非常によかったが紅ショウガが仕上がり過ぎていた。

最終決戦

1.紅しょうが「イライラすること」

コントの出来が良すぎて漫才合ってないとさえ錯覚してしまう。前半な会場も求めてない空気がを感じた。

2.天才ピアニスト「家族団らん」

会場は引いたり受けたり波があったように感じたが。個人的には恋人以上に夫婦の不仲という設定のネガティブさを笑いが越えずにハマらなかった。

3.ヨネダ2000「モヒカン」

上述のとおり、漫才を封じての勝負でこれは最強と言わざるを得ない。
出てきた瞬間から面白かったしわざわざ英語の翻訳って設定で録音を流していたのが意味不明すぎて最高だった。設定以上に演出の発想が神がかっていて大好き。

塚地:紅しょうがの熱量もよかったが天ピでなるほどと思った
川島:竹内の切れ味がよかった

6.終りに

道中のドキドキトピックスとしては、かりこるが優勝した時に、相方は一緒にメディアにでまくるのかという疑問と、ヨネダが優勝したときに、モヒカンのままトロフィー授与するんじゃないかというワクワク。

昨年の記事ではオダウエダの攻撃力がハマり大会を制したと述べたのだが、今年は守備力で天才ピアニストが粘り勝ったと言っていいだろう。

抜群の安定感で、今後メディアへの露出も更に増えることだろう。

出場した全ての芸人の今後の活躍を応援しています。


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