女芸人No.1決定戦THE W2020を見て思うことがある

4代目女王は吉住

栄えある4代目女王となった吉住さん。おめでとうございます。個人的にも圧勝の優勝でした。また決勝進出した皆様、大変お疲れ様でした。次回大会でのリベンジを期待しています。

本大会発足当初から、レベルが低すぎる。ゴールデンで流す番組ではない。といった言葉をよく耳にしており、風向きの厳しい大会という印象を受けるが、それは制作陣やスポンサー側の責任が大いにあると考える。芸人にとっては名声的にも収入的にも有難い大会であることは間違いないし歴代女王はその後の露出も結えているのが実情だ。

初代女王:ゆりやんレトリィバァ

2代目女王:阿佐ヶ谷姉妹

3代目女王:3時のヒロイン 福田ゆめっちかなで

大会自体の構造は間違っていないか。

私はお笑い芸人を愛しているので、公の場でそれぞれの批評をするつもりはない。特につまらないだとか嫌いという発言はする気が無い(当然思いはある)が、根本的なシステム自体には思い切って心の丈を打ち明けたい。面白い芸人が晴れ舞台で活躍しているのに、ネットで叩かれ心無い声を浴びせられるのは本当に苦しい。

①視聴者投票は不要

M-1の敗者復活においてもだが、視聴者の投票は本当に無意味だ。端的に言うと、ただの人気投票に成り下がってしまう。

審査員の6名は名実共に実績のある、笑いのプロたちである。コメントについても納得させられたり、着眼点に驚かされたり。
一つ一つの発言に威厳もあれば、その一票にも価値がある。


一方で視聴者投票は、どうしても知名度や華がある方へ投票したり、好きな方へ組織票を集めたりと、およそ公正さは担保できるものではないことは明白である。
下手をすればネタを見らずにチャンネルを付けた瞬間にボタンを押すことだってあるかもしれない。
TV的に視聴率を稼ぐために視聴者参加型という形を取っているのであろうが、後述の理由も含めて、視聴者離れを加速させる事態になりかねない。

視聴者投票の1票に、審査員と同等の価値は無い。

②勝ち残り制の弊害

THE Wは上位数組が最終決戦へ。ではなく、2ブロックから1組を選抜し、2組での最終決戦を行う。M-1やキングオブコントの様に前組から上位数組を選出する方式ではなく、R-1グランプリと同様の形態となっている。

これは理由が明確で、コント/漫才といったジャンルでの枠組みでないため、採点による順位付けが極めて困難であることが挙げられる。

問題はブロック内での採点方法だが、ネタが終わるたびに、前組との比較を行い、都度都度暫定首位を決めていくのだ。

これがとにかく時間が掛かりテンポが悪い。ただでさえネタが終わるごとに審査員の開票/コメントが挟まるのに加え、①の視聴者投票の時間も設ける必要があるため、ネタごとにCMが挟まる。お茶の間も間延びしてだらけるし、それ以上に現場が温まることがないであろう。

無理にメリットを考えるのなら、場が温まっていないトップバッターのハンデを小さくすることなのか?かなり苦しい。やはりTV制作のご都合と考えるのが妥当か。

20時から始まることもあり、ネタ12本ならば22時終わりかなと勘ぐっていたら、まさかの3時間放映には愕然とした。

③ブロック分けは公平なのか?

予選審査についてwikiには以下の文言がある

予選は放送作家と日本テレビスタッフからなる数名の審査員が各100点満点で採点し、合計得点の高い順に合格となる。

ということは決勝進出者にも予め採点がされており、何位通過したかが明確になっているのだろうか?そうであればブロック分けは順位が考慮されているのだろうか?今回のブロック分けは、名前を見ただけでは、圧倒的にBブロックの方が知名度のあるコンビが偏っていた。抽選なのか、作為的なのかは開示してほしい。ひねくれてはいるが、後半に数字の取れるコンビを集めていた気がしてならない。

格式高い大会となるために

ほぼほぼダメ出しとなってしまったが、単純に賞金を積めば水準が上がって来るというものではないと思うし、視聴者にとっても見るのがしんどい構成になっているのは間違いない。

芸人に対して絶対的なステータスとなるように、また視聴者が楽しめる大会となるように祈るばかりだ。

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