ご当地マグネット市場調査
過去に、ご当地マグネットのコレクターを採り上げたイギリスの新聞記事や、ご当地マグネットを観光学の視点で研究したリバプール大学の学術論文があることを紹介してきました。さらには、経済の観点でご当地マグネットの市場を分析した調査レポートを公開している調査会社があります。
Cognitive Market Research社という、あらゆる産業の市場調査とコンサルティングを行っている米シカゴの会社による調査レポート(無料公開分)を、翻訳してかいつまみ紹介します。
世界の冷蔵庫用マグネット市場規模は2023年に13億米ドル(1,900億円)に達し、2023年から2030年にかけて6.60%の年平均成長率(CAGR)で拡大する見込み。
北米の冷蔵庫用マグネット市場は引き続きリードする一方、アジア太平洋地域の冷蔵庫マグネット市場は 2030 年まで最も大幅な成長を遂げるであろう。
冷蔵庫用マグネットの市場は、電子商取引やオンライン ショッピングの拡大により拡大している。オンライン ショッピングでは、世界中のベンダーのさまざまなパターンやスタイルに簡単にアクセスできる。これにより、製品の競争力と認知度が向上し、市場へのリーチも拡大している。
Cognitive Market Research によると、家庭が大きな市場シェアを占めている。家庭では冷蔵庫を華やかにしたり、楽しい要素を加えたりするために、冷蔵庫用マグネットを装飾品として頻繁に利用している。子供たちは、友人や家族からの贈り物や旅行でもらった冷蔵庫用マグネットを集めるのが大好きである。中には、ホワイトボードのようにメモや買い物リストを書く人もいる。冷蔵庫用マグネットは、人気があり、手頃な価格の家庭用アクセサリーである。
どうやら土産物としてのご当地マグネットだけでなく、キャラクターグッズ、ミニチュア雑貨、メモをクリップするような実用マグネットも含むあらゆる冷蔵庫用マグネットについての市場分析調査のようです。しかし、そのひとつであるご当地マグネットも、その魅力のおかげで今後ますます市場が拡大するとの調査結果でした。
順調でなにより。
2023年には、アイブロウパウダーセグメントが世界の冷蔵庫用マグネット市場で大きなシェアを占め、近い将来に大きな成長が見込まれています。
ところでなぜここで、アイブロウの話が出てくるのでしょうか。
実は、主に女性が目元を化粧するアイブロウの原料は、雲母、石灰、炭酸カルシウムなど、平たく言うと岩石や貝殻を細かくした粉末です。「砂」とも言えます。
冷蔵庫用マグネットは、熱可塑性プラスチック樹脂に石灰を混ぜた原料ポリレジンを型に流し込んで固めているので、一部の原料が同じというわけです。
ちなみに、顔に塗るお化粧品、昔のおしろいは有毒な酸化鉛が使われていましたが、現代のフェイスパウダーは酸化チタンや酸化亜鉛という体に害のない成分です。
以前、ご当地マグネットコレクターを採り上げた新聞サイトがあることを紹介した記事はこちら。
以前、ご当地マグネット集めを研究対象にした学術論文があることを紹介した記事はこちら。
ご当地マグネットに関する記事をまとめたマガジンがこちらです。