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There will be love there -愛のある場所-/the brilliant green(1998/5)

 二番の歌詞が好きだ。キャッチーさが優先されるであろう一番の歌詞よりも、自由度のある二番の方が作者の言いたかったことが素直に表現されるように感じるから。

嘘つきの糸を切ってそして
真実と向き合う勇気があるって信じたい 

There will be love there -愛のある場所-
the brilliant green

 曲のタイトルにloveが入っているからといって、愛を歌っているとは限らない。この歌詞は切羽詰まった感情が詰め込まれている。

 プロモーションビデオを見るとポップな曲になっているが、ライブ動画をみるともっとグランジな感じ。Tommyの少女チックなファッションと透明感からは程遠い音色の対比も効いている。

 「万事快調<オールグリーンズ>」波木銅 文藝春秋 2021/7を読んだ。YoutTube"ほんタメ”の紹介を見て、図書館で借りてきた。図書館でもよく出ているようで見つけるまでちょっと時間がかかった。

 ポップでアングラ。インターネットに書かれている感想・書評では女子高生が大麻を育てる話として紹介されていることが多い。しかし、自分には閉塞感たっぷりな高校生活や田舎をなんとか抜け出すために、もがいている高校生たちの小説だと思った。

 語られているストーリーは決して賛成できる所業じゃないけど、彼女らはずっと切羽詰まっている。その緊張感がページをめくる指を早くさせる。

 読後は彼女らが愛おしく感じる。どんな風にでも生きて欲しい。もっとも彼女らには「ズタズタにしてやる。」って言われそうだけど。

 偶然だろうけど、the brilliant greenもオールグリーンズのどちらにもgreenという単語がはいっている。いまやgreenは多くの先進国が目指している。脱炭素とか再生可能エネルギーとか。こっちも切羽詰まっている。

 おおらかな顔をしているようで、greenは切羽詰まった色なのだ。

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