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映画「ベル・エポックでもう一度」

 映画「ベル・エポックでもう一度」をみた。フランス映画だ。フランスというだけで、おしゃれ感があるが、実際におしゃれな映画である。

 映画を見たきっかけは多部未華子主演ドラマ「わたしに運命の恋なんてありえないって思ってた」から「シラノ・ド・ベルジュラック」を調べていたら、ベル・エポックという語呂の良い単語がでてきたので、さらに調べていたらこの映画にたどり着いた。Wikipediaによるとベル・エポックというのは美しい時代という意味らしい。

 映画の中では、カフェの名前でもある。同時にそこは主人公ヴィクトルにが美しい時代を過ごした場所でもある。

 あらすじは、(映画の公式サイトによると、)”大切な過去”を再体験する<タイムトラベルサービス>で過去を再体験した男の話、ということだ。確かに、一種のタイムトラベルものとも言えなくはない。

 でも、タイムマシンがでてきたりもしないのでSFでもない。タイムパラドックスも起きようがない。回想ものとも言えなくもないが、回想の内容は主人公が絵コンテを描いている。 

 ヴィクトルの妻マリアンヌは、夫に愛想をつかしているが、そういう自分にも嫌気がさしている。タイムトラベルサービスの中のヴィクトルは、若い頃の妻役であるマルゴに好意を持つ。マルゴは恋人のアントワーヌへの自分の気持ちに素直になれない。アントワーヌはヴィクトルに嫉妬する。

 タイムトラベルサービスは実際には映画のセットのなかで役者が動き回るハリボテの過去。サービス側は役者に指示を出すために、裏から見ている。ヴィクトルは、あえてその中にどっぷり浸かり過去を楽しむが、映画では実際の過去であるヴィクトルの回想シーンもでてくる。

 いろんなものが、裏が表で表が裏でというズレのなかで繋がっている。でも、カフェの名前とヴィクトルの美しき時代はズレることなく一致している。これはそういう喜劇なんだろう。

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