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わが為すこと、我、知る(Ⅱ)

筆者‐大芝太郎(2006年~志信会公式サイトに連載)】

「生きろ!」~志信会創設の根底にあるもの~ 続編

>>>前号より続く

3.大西会長が信じるもの

 志信会の基本理念に大きな影響を与えた映画があります。
「ペイ・フォワード」。
11 歳のトレバーは、担任のシモネット先生から
「もし君たちが世界を変えたいと思ったら、何をする?」
と問い掛けられ、悩んだ末にあるアイデアを思いつきます。

「受けた親切をその相手に返すのではなく、身の回りにいる別の人へと贈り、その彼らがさらに別の人へと贈り…」という奇想天外なアイデアです。

やがて、このアイデアが彼の知らないところで確実に広がり奇跡を起こしていきます。

ペイフォワード-2

-2001年に公開された映画「ペイフォワード」-

 『受けた厚意はどんなことをしてでもお返ししなければ』と強く信じていた大西会長は、この映画を見て天地がひっくり返るほどびっくりしました。

これまでに様々な方々から受けた厚情を、次世代に繋げていく「ペイ・フォワード」の概念は世界を変えることができます。

そして同時に、ぼくたち一人一人が、誰かのために何が「できるか」を問う発想の転換を広げることができれば、「ペイ・フォワード」の理念が絶えることはありません。

国民一人一人を変えていくこと、それは“夢物語”に聞こえるかもしれません。でも、素直に“夢”を語ることが難しい現代だからこそ、大西会長は“己が夢を信じて”日々奮闘している人々を支援し、共に行動するための組織として志信会を設立しました。

「夢は限りなく」…。

大西会長は現代の日本で、“ 世界を変える夢 ” を語れる大人が少ないことに
寂しさを感じています。それを語ることは「大人気ない」「恥ずかしい」ことなのかも知れません。

でも、もし、ほんの少しでも、本気で自分が世界を変えられると思えたら…。 世界は、夢や可能性を信じた人のものです。

大西会長は自分を変える勇気を持つ人、「己」や「夢」、そして「人」を信じる勇気を持つ人が「世界を変える」可能性を信じています。

会の設立過程で、志を共有できるメンバーに巡り会う事が出来た仲間と共に、世界を変えることができると信じています。

4.出発

 このようにして使命感に突き動かされて、理念に忠実に従い設立した志信会でしたが、当時は何の勝算もなくそもそも何と戦っているのかさえ理解してもらうことはできませんでした。

結局実行部隊と呼べる人員は 4名、志信会の理念を理解していただいたボードメンバーの皆様は10名足らずで、それまで大西会長と共に活動を進めてきたメンバーの多くは志信会への入会には足踏みしてしまいました。

「結局大西さんは何をしたいの?」

「いつ選挙に出るのですか?」

志信会を始めた当初、会の理念を紹介させていただく機会に恵まれても、結局そんな反応が返ってくるだけで、なかなか志信会が何をしたいのか?を理解してもらうことはできませんでした。

 “全ての人が生き生きと暮らし、夢に向かって挑戦することを歓迎するような社会にしたい”という単純過ぎる理念は、多くの人がもっている政治の概念とはあまりにも違いすぎて、それを理解し協力してもらうことは当然困難でした。 

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こびき司 002

-写真- 全国各地の統一地方選挙での一コマ

 そんな中でも、 2003 年の統一地方選挙で、支援した候補 6 名のうち 5 名が当選するなどそれなりの成果は出してきましたが、同年に行われた国政選挙での選挙応援には、志信会として駆けつけても、這々の体であしらわれることが続くなど、選挙応援をすることですら難しい状況にありました。

一方で志信会政治塾としてのスタンス及び総選挙に当たる基本方針が固まったのもこの時期で、その後政治というフィールドで志信会の目指すものがより具体的になっていきました。

以下に 2003 年に公表された志信会政治塾が目指すべき政治の方向性スタンスを記します。

志信会は、これからの政治が歩むべきステップを、① 官業利権構造を根本的に解消した公正で透明な社会、機会平等の社会の実現があり ( 第一ステップ ) 、② その上で、セーフティネットを整えた社会のあり方、すなわちリスクの個人化と社会化のバランスをどう考えるかの、新保守勢力と欧州型リベラル勢力が拮抗していく真の二大政党政治の確立にあると考える ( 第二ステップ ) 。
現状の政治情勢を鑑みると、長年に渡る自民党一党支配は、その弊害が著しく、これを否定せざるを得ない。したがって当会は国政選挙に当たり、現有勢力温存を求める候補者は応援しないこととする。
また、当会が公認または推薦をする候補者は、当会の行動指針 ー" たった一人でも、己を信じ、夢を信じ、人を信じ、実践する "ーを体現する逸材であることを要する。
すなわち政策や夢を実現するための「精神の強固さ」を持ち、「日本を自立した社会へと変革するための一事業」を成し遂げる能力を有した候補者を応援することとする。 

次号に続く>>>

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-写真- 国政選挙で執行部は東奔西走(2003年)






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