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「劉安、妻の肉を煮て玄徳に献ず」の謎

80年代に撮ったと思われる弘前ねぷたの見送り絵。題材はおそらく、三国志の「劉安、妻の肉を煮て玄徳に献ず」だ。

劉備を泊めることになった劉安が、劉備をもてなすものが何もなく困ってしまい、やむをえず妻の肉を煮て劉備をもてなしたという。理解不能なエピソードではあるのだが、実家にあった三国志の画本に書かれたこの話を、うちの家族はみんなよく覚えていたので、バッチリ写真に残っていた。

翌日劉安の家を辞する時に、劉備は裏に妻の遺体があるのを発見して状況を理解し、劉安に感謝の意を述べたという話だったと思う。これも子供の時には理解不能なエピソードだ。無理にでもこの話の趣旨を見出そうとするならば、それだけ劉備に「人徳」があったといいたいのだろうか。

弘前ねぷたの裏側、「見送り絵」というのは、すべてではないけれども、こうした猟奇的なもの、地獄絵図などが多く描かれている。そこになにか宗教的な意味があるのかといえば、たぶんそうではなく、灯篭祭りにおいて、ライバルの町を威嚇しようという意味から生まれたものなのではないか。

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