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自主経営の誤解あるある。〜組織を科学する#02〜

自分の会社の「自主経営スタイル」にうんざりしていませんか?

人類が成長し、発展してきたように、組織もさまざまなプロセスをたどり、今日があります。「自主経営型の組織にしていこう」と高らかに宣言をするものの、中途半端なメッセージと不徹底により、逆にスタッフを苦しめるケースは多々あることを知りましょう。

『ティール組織』を参考に、自主経営に関するありがちな誤解を紹介します。なお、今ならkindle版が50%OFFで手に入ります!


《自主経営誤解あるある①》組織構造やマネジメント、リーダーシップが取り除かれる

何でもかんでも民主的な議論やコンセンサスによって意思決定がなされるという思い込みです。トップダウン、階層型組織の逆をイメージしたときのあまりに単純化しすぎた発想担ってしまいます。

方向性や目標設定、計画立案や統制、評価がなくなったのではなく、経営陣に集中しなくなっただけです。各社員に、管理的な業務や役割が分散されていなければなりません。

組織構造は存在しますが、多様で複雑、意思決定プロセスもありますが柔軟でメンバー参加型、組織慣行も残っていますが、組織の存在意義に従っており常に進化し続けているのです。

《自主経営誤解あるある②》全員の権限が平等

地位や権力の不平等を解決しようとすると、真っ先に権利の分配が挙げられる。が、ディール組織で目指すのは、権利を平等にすることではない。「どうすれば、全員が強くなれるか?」を考えるのだ。

地位や権力の違いはあるものだと認識した上で、ティール型組織では、自分に必要な権力を必要なときに必要なだけ発揮できるのである。

仕事や、問題だと気付いた点において、助言プロセスを用いて必要なことは何でも実施できる状態である。特定の責任領域において、最大の力を発揮できる状況を整えることが、重要なのである。


《自主経営誤解あるある③》要するに、権限移譲することでしょ?

権限移譲することで、自主経営を加速させるのは誤りです。権限移譲が必要ということは、そもそもの組織構造や意思決定プロセスなどが、トップ似権限が集約される構造になっているからです。

自主経営の組織においては、権限移譲は不要な存在でなければなりません。すでに、メンバーは自分の役割を果たすのに必要な権限を持っていて、拡張が必要であれば、正当なプロセスによって拡張可能であるからです。

逆に、メンバーは、抱える様々な問題や、辛いこと、苦しい決断、難しい判断を経営陣やマネジャー陣に丸投げができない状態であることを理解しましょう。

助言を求めることはできますが、解決するのは自分です。

自主経営に関する直感的なイメージ by 経営学者のゲイリー・ハメル。

経営学者のゲイリー・ハメルは、自主経営についての直感的な理解について、以下のように伝えています。

▶優れたアイディアをだれも握りつぶせない。
▶だれでも協力者になれる。
▶だれでもリーダー役を務められる。
▶だれも指図できない。
▶目的や目標は自分で決める。
▶だれかの成果を簡単に生かせる。
▶ゴロツキや暴君に耐える必要はない。
▶出る杭は打たれない。
▶優れたものがたいていは勝つ(平凡ではそうはいかない)。
▶情熱を削ぐような方針はくつがえされる。
▶素晴らしい貢献は周囲から認められ、祝福される。


人のためになることは積極的に。助言を求められたら協力する。

たとえば、こんなケースを想像してみてください。

自主経営ではどのように振る舞うべきでしょうか。僕は、次のように考えます。

(上司の立場)
・わからない場合、「わからない」と伝える
・自分はわからないが、あの人ならわかるかも…?と別の人を紹介する

(部下の立場)
・助言を求めていることをキチンと伝える
・あなた以外に頼れる人がいないことを伝える。
・誰か別の人を頼れないかと紹介を依頼する

部下は答えを求めてはいけません。あくまでも、助言を求めるまでです。しかし、持っていない情報を集めることは必要です。なので、自分が頼れる人が他にいないことを伝えるか、他に頼れる人を紹介してもらうかお願いしましょう。

上司は、自分が札を持っていることも、持っていないことも隠すことなく、求められたら協力に応じなければなりません。お互いは対等な関係で、協力し合う必要があるからです。

もし、「教育のために自分の力でやり遂げてほしい」のであれば、その意図を相手に伝えて理解してもらわなければなりません。お互いが大人なのですから、最低限の意図は伝えましょう。

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