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火山の「バイブル」を見てみよう

日本には全国で111の活火山があり、このうち50の火山を、気象庁は24時間体制で監視しています。お住まいの地域にある火山のこと、ご存じですか?

「どんな火山なんだろう」「活発に噴火する山なのかな?」などと思った時に便利なのが『活火山総覧(そうらん)』という資料。火山好きにとってはバイブルと言える資料です。

写真を味わう

本でも販売されていますが、今はwebで閲覧するのが手軽で簡単です。Google で「活火山総覧」と調べると出てきます。「第4版」が最新です。

FireShot Capture 1857 - 活火山総覧 - Google 検索 - www.google.com

一番を上で良いです。クリックすると、地域を選択する画面が出てきます。

FireShot Capture 1858 - 気象庁|日本活火山総覧(第4版) Web掲載版 - www.data.jma.go.jp

調べたい火山のある地域を選択し、火山のリストが出てくるので、好きな山を選びます。今回は、阿蘇山を調べてみます

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上の画像のようにPDFで資料が表示されます。写真付きのカラーです。

トップページには山の基礎情報が載っています。「概要」という部分を読むだけでも、この火山がどんな特徴を持つ火山なのか知ることができます。

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続いて、過去の活動に関する「写真」が紹介されています。インパクトのある写真が多いですね。阿蘇山の場合、ストロンボリ噴火と呼ばれる溶岩を噴き上げるタイプの噴火の写真が紹介されています。赤くてキレイです。火山の美しさを感じることができる1枚です。

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一方で、次のページのには、建物の屋根を突き破ったり、巨大な噴石が飛んできた様子が掲載されています。美しい火山は、時に大きな驚異となることを実感させる写真です。こうして、冒頭に掲載された写真を眺めるだけでも楽しいです。

このほかにも、

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地形の凹凸がわかる「赤色立体地図」や、

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火山の地質の分布を示した「地質図」も確認できます。

過去の噴火を知る

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また、過去の活動を調べるのに役立つのが「有史以降の火山活動」のページです。いつ、どんな噴火が起きたのか。活動の経緯や被害情報とあわせて掲載されています。観測記録のない古い時代はあまり記述がありませんが、

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現代になるにしたがって、細かい記述が出てきます。

頻繁に噴火を繰り返している山なのか、噴火した時の被害は噴石によるものか火砕流によるものなのか、といったことを知る手がかりとなります。

「前兆現象」や「マグマの場所」に関する記述も

また、過去の噴火を検証して、わかったことをまとめたページも必見です。

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阿蘇山の場合、噴火が繰り返されているので、「噴火に至るプロセス」が分析されています。この図を見ると、①湯だまりの温度が上昇、②土砂が噴き出す、③湯だまりの量が減少・消失、④赤熱という順で活動が進展した後、噴火が発生する…というパターンが紹介されています。

これを知っておくと、ニュースで「湯だまりが消えた」と報じられたときに、「あれ?これは噴火につながるかも」と警戒することができますよね。

ほかにも、ふだんは見えない火山の地下がどうなっているのか、どこにマグマをためている場所があるのか、といったことを知る上で、参考になるイラストや図も出てきます。

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これを見ると阿蘇山では、深さ5キロほどの場所に「マグマだまり」というマグマをためる場所があることがわかります。これが噴火する時には上層してくるのです。

旅行気分を

紹介した「活火山総覧」を見ていくと、火山毎に特徴があることがわかります。写真を眺めるだけでも楽しいし、ちょっとした旅行気分・観光気分も味わえます。実際の本は分厚いですが、Webでは簡単に閲覧できるので、ぜひお近くの火山から調べてみてはいかがでしょうか。




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