痩せている自分を正当化するこの頃

私は中学生の時にダイエットをした。

きっかけはダンスの発表会。体のラインが出る服を着て常に鏡と対峙して練習するので、周りと比較して(実際には自分より痩せている子しか目に見えてなかったけど)自分の体型を気にせずにはいられなかった。

最初は夜ご飯の主食の量を減らすといった、ごく簡単なことから始めたはずなのに
だんだん全体的な量を制限するようになり、食べるのが怖くなってしまった。

朝は豆乳を一杯
給食もご飯は3口くらいでやめておかずも半分は残していた。
夜は家族にダイエットしてるからと言っておかずだけを食べていた。

普段はひたすらダイエットについて調べて過ごし、食事と運動のことで常に頭がいっぱいだった。

そんな生活を続ければいつの間にか5kg、10kgとするする体重は落ちていった。

周りは心配して声をかけてくれるけれど、一番怖いのは自分自身だった。
痩せられた、という達成感もあったが一方で髪が抜け生理が止まるまでエスカレートしてしまった自分がこのまま生きていけるのだろうかと、友達も家族も鬱陶しくなった。

完全に自分の理想体型とはかけ離れたガリガリになった姿を見てもなお、自分はやり遂げたと思い込み勝手に太っている人を非難していた。

3年ほど経った今は食欲も前ほど乱れなくなり、体重も完全ではないが戻っている。

食べ物の嗜好が変わり、より健康的な食品を選ぶようになった。
時にはお菓子やスイーツが食べたくなる自分を認め、許せるようになった。

過去の自分のようにガリガリな人を見ると、あの時の辛さが思い出され嫌な気持ち
になることがある。なんせ、私みたいに食べない努力をしなくてもあんなに細いんだから。

友達とダイエットの話が出るたび苦痛だった。
自分が太ってるって言われてるみたいだったから。

でも。

考え方を変えればよかったんだ。

もっと違う価値観に触れれば良かったんだ。

人の付加価値は自分で決めるものだから。
人間は所詮他人のことなんてどうでもいいと思っている。

だから自分がもっと好きになれる体型になろうと思った。
それも辛い思いをせずに。

食べるものや量を増やすのは難しかったし
家族にもたくさん迷惑をかけてしまったけど。

この経験が私に栄養学を学ぶ、という選択肢を与えてくれた。
将来は私と同じような悩みを抱えている人々を助けたいと思う。


最後に。

母は私を責めなかった。
辛かったね、ごめんね、と泣いてくれた。

そして母は母自身も機能性食品やロカボフードをより多く取り入れるようになった。

ありがとう。心配かけてごめんなさい、お母さん。


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