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ゲーム「春ゆきてレトロチカ」

大好きなゲームです


 去年の5月にSteamで購入しました。
 きっかけは一度だけ見たCMです。一瞬でしたが、垣間見えた世界観に惹かれました。その場でカレンダーに発売日を書き込み、楽しみにしていました。好きな女優さん、俳優さんばかりだったのと、もともと火サスが大好きだったのもあり、迷いはありませんでした。
 ゲームを始めた最初につまづいたのが推理場面の操作でした。推理自体はわかっているのですが、それをどこにどうしたらよいかわからず、ここで一時間近く悩んでしまいました。結果、ゲーム実況しているYOUTUBE動画を見ながら操作したのですが、初見で難なくやってしまう実況者、すごいなあ、と尊敬します。でも手間取ったのはそれ一回だけでした。
 私の推理や選択によってストーリーや犯人が変わることは無いのですが、それは火サスファンなら特に問題なんてありません。だって登場人物でわかってしまうのが火サスですしね。

火サス好きにはたまらない


 面白かったのは、一つの大きな事件をたどりながらその随所で別の事件を推理していくと言うシナリオの重厚さです。その何重にも伏線の張られた事件を限られた役者さんたちだけで違う時代、違う設定で動いて行くのです。劇中劇といった感じでしょうか。これまた火サスで言うなら7~8話分の量があります。
 感動したのが松本若菜さんの歌でした。私はこの女優さんを「仮面ライダー電王」の主人公野上良太郎君のお姉さんの愛理さんで初めて知ったのですが、今も変わらず色白で美しい。しかもこんな素敵な歌声だったなんて。
キャリアウーマン風の姿もレトロな衣装も着物も素敵でした。コケティッシュな魅力というのでしょうか。

着物を着こなすには


 世界観も風景もとても素敵だったのですが、最後まで気になってしまった点もありました。
 着物のデザインが上太郎さんなのですが、とてもいいのです。いいのですが、現代風過ぎて物語の雰囲気から抜け出てしまうのです。特にヒロインの着物。プリント柄が細かく複雑で、その着物に合わせるためなのか、髪型は現代っぽく毛先が飛び跳ね、まるで夏祭りの浴衣のお嬢さん。リボンは小学校の鉢巻を結んでいるみたいでした。物語全体の「レトロ」という雰囲気から一人だけはみ出しているように感じられました。ゲームなのですから、時代通りにしなくても良いと思います。でも、雰囲気を作るのは必要です。着物と髪型、小物、アクセサリーで作り出す世界観も大事だと思うのです。髪をまとめるとか、大正女学生風に大きなリボンで結ぶだけでも違ったと思います。せっかくのヒロインなので、もっとレトロ感を出してほしかったと思いました。反対に筒井真理子さんの着物姿はとても素敵でした。えもんの抜き方、帯の位置、ショールの扱い。ちょっとしたことでこれだけ魅せる着物にしてしまうのですね。所作も素晴らしく、着物の美しさは動きだというのがよくわかります。

ゲーム映えする化粧とは

 これは映像の画質のせいなのか、お化粧のせいなのか、場面によっては役者さんたちの顔がやたら油でテカテカにみえてしまうのが残念でした。
 この女優さんはもっと綺麗なはずなのに…。と弁護したくなってしまう。コントラストなのか色彩の調整が合わないのか、やたらと影が強く出ていて皺が目立ってしまっていたり、口紅の色がどぎつく見えてしまいました。
 白黒映画では、役者さんは顔のメリハリをつけるためにゾンビのようなメイクをしていたそうですが、ゲーム画質に合わせたお化粧も研究した方が良いと思います。景色の映像はとてもいいので、その中で女優さんを撮るとああいうことになるのかな? だったら人物にだけソフトフォーカスをかけるということは出来ないのだろうか? ゲームというのは異世界なんです。だから大正時代にプリント柄の着物を登場させているわけです。なら、女優さんたちも非現実的な妖艶さで魅せてあげて欲しかった。情景や曲、ストーリーがとても良かっただけに目についてしまう点でした。
 それでも終わった時の余韻はとても心地よく、印象的だったところに戻って何度もやってしまいました。離れがたい、といった感覚でしょうか。
 ゲームを始めるときは作品の中の彼らに、会いに行く、というワクワク感があり、若菜さんの歌声を聞いている時は自分も席に座っている客の一人になれました。
 こういうゲームがまたあれば絶対に購入します。
 是非また作って欲しいです。





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