165: The Beatles / Taxman

「トゥモロー・ネバー・ノウズ」が収録された『リボルバー』は、ビートルズの最高傑作として名前が挙がることも多い作品で、サイケデリック・サウンド以外にも、様々な面で変化がみられます。
この曲は、ジョージ・ハリスンが書いたオープニング・トラックですが、咳き込む音が入った不思議なイントロもさることながら、注目はその歌詞です。
「あなたの取り分は1で、私の取り分は19です。だって私は税金取りですから」という強烈な政治的メッセージ(ほとんど文句ですが)。
ビートルズが政治的なテーマを取り扱ったのは、この曲が初めてですが、コンプライアンスにうるさい最近のテレビやラジオでは、放送禁止になりそうな内容です。
当時のイギリスでは、富裕層は税率が本当に95%だったということですが、それを国民的スーパースターが歌い、しかもアルバムの1曲目に収録するとか、何ともパンキッシュなバンドです。
これで曲がつまらなければ誰も相手にしないところですが、「これぞビート・ロック!」と言わんばかりのタイトなサウンドを聴かせてくれるところが、さすがはビートルズです。

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