280: The Beatles / For You Blue

パティ・ボイドのために曲を書いたのは、もちろんエリック・クラプトンだけではありません。
ビートルズのアルバム『レット・イット・ビー』に収録されたこの曲は、ジョージ・ハリスンが妻に送ったラヴソング。
印象的なラップ・スティール・ギターを弾いているのはジョン・レノンですが、私、ずっとジョージが弾いていると勘違いしていました。
カントリーっぽいブルースナンバーですが、これは、ボブ・ディランやザ・バンドとジャム・セッションを行った影響と言われています。
かたや、当時のビートルズと言えば、人間関係が悪化し、レコーディングでは口論が絶えないような状況で、ジョージもかなりストレスがたまっていたと思われます。
ビートルズの中ではニヒルなイメージのあるジョージですが、そんな彼がこんな「激甘」なラヴソングを書いたのは、そういう状況であったがゆえに、妻に救いを求めたという背景があったのかも知れません。

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