402: XTC / The Meeting Place

トッド・ラングレンは、プロデューサーとしても活躍していることは以前にも書きましたが、エピソードが多い作品と言えば、1986年にリリースされたXTCの『スカイラーキング』を超えるものはないでしょう。
トッドをプロデューサーに迎え、レコーディングを開始したものの、衝突続きで、一時は完成さえ危ぶまれたほどでした。
そもそも、サウンドづくりのすべてをコントロールしたがるプロデューサー気質のトッドと、自分の世界観に他者が介入することを嫌う気難しいアンディ・パートリッジが、お行儀良くしていられるはずもなく、そうなることは最初から分かっていただろう、と言いたくなります。
この曲は、ベースのコリン・モールディングの作品ですが、比較的真人間に見える彼でさえ、アンディの態度の悪さに我慢の限界を超え、一時「脱退」を宣言したほどでした。
さらに、ミックスダウンの途中で、バンドはUKに帰ってしまい、最後はトッド1人でミックス作業を行ったという、冗談みたいな話もあります。
そんな経緯を経て完成したこのアルバム、セールスはUK90位/US70位とふるいませんでしたが、XTCの傑作の1つとして高い評価を受けています。

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