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2023年9月の記事一覧
892: Sonic Youth / Silver Rocket
今日は「ロケット」つながりです。 ソニック・ユースの代表作と言えば、インディ・レーベルから最後のリリースとなった1988年の『デイドリーム・ネイション』(UK99位)を挙げる人が多いのではないかと思います。 アルバム2曲目に収録されたこの曲、始まりはパンク・ロック風ですが、中間部で登場するギター・ノイズで埋め尽くされたアヴァンギャルドなサウンドこそ、このバンドの醍醐味という感じがします。 ニューヨークのアンダーグラウンド・シーンで彼らが提示したスタイルが、世界各地でフォロアーを育み、それらが共鳴し合うことで、オルタナティヴ・ロックという大きなムーヴメントを築き上げるに至ったことは、まさに偉業と呼んでいいでしょう。
889: Michael Jackson / Man In The Mirror
No1ヒットを量産した『バッド』で、ファンから最も支持されているのは、この曲かも知れません。 4枚目のシングルとしてカットされ、2週連続US1位を獲得しています。 この曲を書いたのは、「キャント・ストップ・ラヴィング・ユー」でマイケルとデュエットしていたサイーダ・ギャレットと、グレン・バラードでした。 静かに始まる歌い出しから、ゴスペル調コーラスへと盛り上がっていく流れは見事です。また、メッセージ性の強い歌詞とMVも実に印象的でした。 ちなみにこの曲、1988年のリリース当時、UKでは21位どまりでしたが、彼が亡くなった2009年に2位まで上昇しています。 名実ともにマイケルの代表曲として、これからも聴き継がれていく1曲です。
888: Michael Jackson and Siedah Garrett / I Just Can't Stop Loving You
「キャント・ストップ・~」というタイトルの曲は数多いですが、「8並び」の回でもありますし、「キング・オブ・ポップ」に登場いただきます。 音楽史上最も売れたアルバム『スリラー』以来のアルバムとして、尋常ではない注目の中、1987年にリリースされたアルバム『バッド』(US1位/UK1位)。 アルバムからの1stシングルとしてリリースされたのが、サイーダ・ギャレットとデュエットしたこの曲でした(US1位/UK1位)。 この曲から5曲連続USナンバー1を獲得するなど、このアルバムも80年代を代表する作品の1つとなっています。 『スリラー』の次の作品というプレッシャーを全く感じさせないところが、スーパースターのスーパースターたる所以でしょう。
887: Archie Bell & The Drells / I Can't Stop Dancing
「踊り続ける」ナンバーをもう1曲。 アーチー・ベル&ザ・ドレルズと言えば、「タイトゥン・アップ」(US1位/UK55位)があまりにも有名ですが、あまりにも有名なベースラインを始め、ファンクの原型を作ったことは、音楽史に残る「偉業」と言っていいと思います。 「タイトゥン・アップ」の大ヒットを受け、アトランティック・レコードは「早く次の作品を!」とプレッシャーをかけます。そんな中でリリースされた次のシングルがこの曲で、こちらもUS9位のヒットを記録しています。 一聴して分かりますが、「タイトゥン・アップ」の焼き直しと言ってもいいほど、ソックリです。 時間がなかったんでしょうね...
882: 日向坂46 / ガラス窓が汚れてる
私、坂道グループでは日向坂推しの「おひさま」なのですが、前回まで1曲も取りあげていなかったのは、自分でも意外でした。 アイドルのシングルの場合、表題曲以外はほとんど注目されることもないので、「どうせやっつけ仕事なんでしょう?」と思ってしまうところですが、実はカップリングには「隠れ名曲」が多く、ファンの間では表題曲より人気がある場合も珍しくありません。 彼女たちの最新シングル『Am I ready?』でも、個人的にはこの曲が一番印象に残っています。 アイドルの楽曲には珍しいハードなサウンド(特にベースが強烈)とメッセージ性の強い歌詞が特徴ですが、逆再生や速度変更を使った不思議な世界観のあるこのMVも、なかなかのインパクトです。
881: 日向坂46 / JOYFUL LOVE
「ジョイ」つながりで、この曲を。 同姓のメンバーが2人いるという単純な理由から、坂道グループの中で個人的に一番推している日向坂46。 彼女たちのデビューシングル「キュン」に収録されていたこの曲、元々は改名前のひらがなけやき時代に、メチャカリのCMタイアップソングとなった曲でした。 岐阜県の養老天命反転地で撮影されたこのMVには、不思議な世界観が記録されています。 そして、この曲を語るときに外せないのはライヴでしょう。 客席のブロックごとにペンライトの色を変え、会場全体で巨大な虹を作る演出は、日向坂ライブに欠かせない演出となっています。 ファンの間では、シングル表題曲に負けない人気を誇る楽曲です。
880: Flipper’s Guitar / Joyride
オレンジ・ジュースの曲のタイトルを、そのままデビュー・アルバムのタイトルにしたのが、フリッパーズ・ギター。 1989年にリリースした『three cheers for our side 〜海へ行くつもりじゃなかった〜』は、UKインディー・ポップの影響をそのまま押し出した作風で、全曲歌詞が英語ということでも話題になりました。 リリース直後に小山田圭吾と小沢健二の2人組となりますが、リリース時は5人組のバンドでした。 それこそ、数えきれないくらい何度も聴いた作品なので、全曲大好きですが、ここではフワフワとしたコーラスが心地よいギター・ポップのこの曲を。 ちなみに、シングルカットしたわけでもないのにMVが作られているのには興味深いエピソードがあります。 同じレコード会社のWinkが大ヒットし、その利益を税金として納めるくらいなら、節税策として所属するミュージシャンのために投資した方が良いだろう、ということで、MVを制作することになったとのこと。 いやはや、Winkおそるべし、ですね。
879: Orange Juice / Three Cheers For Our Side
タイトルに「three」が入る曲は色々とありますが、個人的に大好きなバンドの曲からピックアップ。 スコットランドはグラスゴーで結成されたオレンジ・ジュース。 インディーズのポストカード・レコーズに所属していた初期が最高ではあるものの、記念すべきメジャー・デビューとなった『ユー・キャント・ハイド・ユア・ラヴ・フォーエヴァー』(UK21位)も、もちろん大好きなアルバムです。 バンドの中心はエドウィン・コリンズですが、この曲はギターのジェームズ・カークによる作品。 8ビートとシャッフルが唐突に入れ替わってみたり、ネオアコと言いながらも、ギターサウンドに透明感が無くヨレヨレだったり(もちろん誉め言葉)、既存の音楽の常識をはみ出したスタイルは、「これぞポスト・パンク」といった魅力にあふれています。 あ、でも、この魅力を「ヘタウマ」の一言で片づけてほしくはないですね。