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連鎖反応 [Chain Reaction]【動画】

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つながりのある曲を鎖のように連ねながら、その曲に対する思いをコメントしていきます。ほぼ毎日更新(予定)です。
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2021年10月の記事一覧

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302: Little Richard / Tutti Frutti

ザ・ビーチ・ボーイズの「ココモ」は、トム・クルーズ主演の映画『カクテル』の主題歌でした。それもあって、シングルのB面は彼らの曲ではなく、映画の挿入歌でもあった、このロックンロール・ナンバーでした。 ロックンロールの創始者の1人に名を連ねるリトル・リチャードにとって、この曲は記念すべき最初のヒット曲。1955年の10月にリリースされ、最高位はUS18位/UK29位となっています。(ちなみにUS R&Bチャートでは最高位2位) エルヴィスの最初のヒット曲「ハートブレイク・ホテル」のリリースは1956年1月なので、この曲の方がリリースは古いということになります。 そういうことを考えると、彼やチャック・ベリー(「メイベリーン」は1955年7月リリース)が「創始者」として挙げられるのも納得のいくところです。 この曲、冒頭で歌われるフレーズが非常に印象的で、曲名を知らなくても、「あ、聴いたことある!」と言う方が多いのではないでしょうか。 ピアノを弾きながら(叩きながら?)パワフルに歌う彼のスタイルは、後のミュージシャン達に影響を与えています。その代表格が、ポール・マッカートニーでしょう。 ちなみに、この曲のタイトル、「All Fruits」という意味のイタリア語だそうです。

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301: The Beach Boys / Rock and Roll Music

「ロック・アンド・ロール・ミュージック」をカヴァーしたのは、もちろんビートルズだけではありません。 60年代はビートルズのライバルだったザ・ビーチ・ボーイズも、負けじと(?)1976年にこの曲をカヴァーしています。 当時のザ・ビーチ・ボーイズは、ブライアン・ウィルソンの精神状態の不調もあり、低迷期のドン底状態で、(ベスト盤を除けば)ヒットから完全に見放されていました。 そんな時期にリリースされたこの曲は、「グッド・ヴァイブレーション」(1966年)以来、久々のTop10ヒット(US5位/UK36位)となっています。 好みは分かれると思いますが、「これぞザ・ビーチ・ボーイズ!」というコーラスは、さすがの貫禄を感じさせます。 この曲を収録したアルバム『15・ビッグ・ワンズ』も、『ペット・サウンズ』(1966年)以来となるTop10入り(US8位/UK31位)を果たします。 アルバム・ジャケットは、五輪マークをモチーフとしていましたが、この年はモントリオール五輪が開催された年でした。 ヒットはしたものの、このアルバム、収録曲の半数がカヴァーと言うこともあり、評論家からもファンからも、あまり評価されていないようです。 それが原因かどうかは分かりませんが、この後、グループはまた低迷期となります。 彼らが低迷期から抜け出し、「ココモ」がUSナンバー1に輝くのは12年後の1988年、ソウル五輪が開催された年でした。

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300: Chuck Berry / Rock and Roll Music

節目の300曲目は、昨日に続いてチャック・ベリーのロック・スタンダード・ナンバーから。 1957年5月にシカゴで録音されたこの曲は、9月にシングルリリースされ、US8位のヒットとなります。 チャック・ベリーと言うと、「ギター・ヒーロー」のイメージがありますが、その一方で、この曲のようにピアノを効果的に使った楽曲も多く、シンプルなロックンロールながら奥行きのあるサウンドとなっているあたりが、後のミュージシャンたちに数多くカヴァーされている理由なのだろうと思います。 その後、2ndアルバム『ワン・ダズン・ベリーズ』にも収録されています。このアルバム、「ベリー」の名前にちなんだタイトル通りに「イチゴいっぱい」のジャケットが良い味出してます。 この曲の知名度を飛躍的に高めたのは、やはりビートルズ。『ビートルズ・フォー・セール』でカヴァーしており、シングルリリースこそないものの、ライヴの定番曲として高い人気を誇りました。日本公演のオープニング・ナンバーでもあります。 ビートルズのヴァージョンも、ピアノが印象的ですが、これはプロデューサーのジョージ・マーティンが弾いています(※諸説あり)。

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299: Chuck Berry / Route 66

ジュリー・ロンドンの夫(2番目)は、ジャズ・ピアニストであり、作曲家でもあるボビー・トゥループ。 昨日の『カレンダー・ガール』でも、これと言ったスタンダード・ナンバーがない2月と10月に対応するため、新曲を書きおろしています。 そんな彼が書いた曲で、ジャズの範疇を超えて愛されているのがこの曲。 1946年にナット・キング・コールが歌ってヒットしたジャズ・ナンバーでしたが、1961年にチャック・ベリーがカヴァーしたことがきっかけとなり、多くのロック・ミュージシャンがカヴァーするロック・スタンダードにもなっています。 ローリング・ストーンズやドクター・フィールグッドのヴァージョンも良いですが、ここはやはりロックの偉人、チャック・ベリーのヴァージョンを取りあげたいと思います。 かつて存在した、シカゴからL.A.(厳密にはサンタモニカ)までを結ぶ国道66号線を歌ったこの歌、沿道の地名も出てくるので、アメリカの観光ガイド的役割も果たしてくれています。 シンプルゆえに飽きのこない名曲と言えるでしょう。

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298: Julie London / September In The Rain

タイトルに「Rain」が付く曲は数多く、何を選ぶか迷うところですが、ジュリー・ロンドンのハスキーな歌声が色っぽい、この曲にしました。 ジュリー・ロンドンは、18歳で女優としてデビューしますが、成功したとは言えず、その後転向したジャズシンガーとして名を残しています。 1956年にリリースされた3rdアルバム『カレンダー・ガール』は、そのタイトル通り、曲名に1月から12月までの月の名前が入った曲が並べられていて、最後に「Thirteenth Month」で締めくくるという、洒落た構成になっています。 スタンダードナンバーのこの曲は、当然9曲目に収録されています。 このアルバム、もう1つのポイントはジャケットです。 各月にちなんだ「コスプレ」をしているのですが、これが実にセクシーかつチャーミングな仕上がりとなっています。 私はCDしか持っていないのですが、ぜひともLPで持っておきたいアルバムです。 ちなみに、このアルバムのコンセプトを再現したのが大滝詠一『NIAGARA CALENDAR』(1977年)です。

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297: The Beatles / Rain

ビートルズが「マッチボックス/スロー・ダウン」という、両面ともカヴァー曲のシングルをリリース(USのみ)したのは1964年の8月のこと。 それから2年も経過していない1966年6月(USは同年5月)にリリースされたシングル「ペイパーバック・ライター/レイン」は、そのわずかな期間に、ビートルズがロックをどれだけ変革させたかを見せつける作品となっています。 特に、B面のこの曲で、それはより顕著でした。 手数多めなリンゴのドラムス、メロディ楽器の様なポールのベース、インド音楽風なジョージのギター、そしてテープの速度変更や逆再生等を駆使して創り出したジョンのヴォーカル。 ほんの数年前までカヴァーしていた、ロックンロール、ロカビリーやカントリー等とは、まったく別物の音楽となっています。 しかも、そんな曲をシングルのB面でリリースするというところがおそろしい。 さらに、同時期に録音したアルバム『リボルバー』(1966年8月リリース)には、このシングル2曲を収録しなかったというのも驚きです。収録していれば、『リボルバー』の名盤度がさらに上がっていたかも知れません。 よく「ビートルズはポピュラー・ミュージックの世界を変えた」と言いますが、それが少しの誇張でもないことを、この時期の作品は示していると思います。

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296: The Beatles / Matchbox

リンゴがリード・ヴォーカルを担当したカール・パーキンスのカヴァーは、もう1曲、この曲がありますが、オリジナル・アルバムには未収録のため、見落とされがちな印象があります。 オリジナルは1957年にリリースされていますが、ビートルズは1961年ごろからライヴのレパートリーにしていたようです。 当時のリード・ヴォーカルはピート・ベストでしたが、ドラマーがリンゴに交代した時期は、ジョンが歌っていたこともあるようです。その後、リンゴのヴォーカル曲として定着します。 1964年にリリースされたビートルズのヴァージョンは、UKでは4曲入りEP『Long Tall Sally』でのリリースのみでしたが、USではシングルA面としてリリースされ、17位のヒットとなっています。 ちなみに、USシングルのB面曲は、こちらもカヴァー曲で、ラリー・ウィリアムズの「スロー・ダウン」でした。 中期以降にリリースされる、質量ともに圧倒的なオリジナル曲の数々を思うと、シングルが両面ともカヴァーと言うのは意外な気もしますが、初期においては「カヴァーの名手」というのもビートルズの大きな魅力であったことは間違いありません。

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295: The Beatles / Honey Don't

カール・パーキンスのシングル「ブルー・スエード・シューズ」のB面は、こちらもロカビリーのスタンダードナンバーと言っていい、「ハニー・ドント」でした。 この曲も、多くのミュージシャンにカヴァーされていますが、最も有名なのは、やはりビートルズと言うことになるでしょう。 1964年リリースの4thアルバム『ビートルズ・フォー・セール』に収録されたビートルズのカヴァー・ヴァージョンは、アルバムのレコーディング最終日に録音されました。 ステージでこの曲を取りあげるときは、ジョン・レノンが歌っていましたが、アルバムではリンゴ・スターが歌っています。 どういう経緯でそうなったのかは分かりませんが、前作『ハード・デイズ・ナイト』にもリンゴのリード・ヴォーカル曲はなく、「2作続けてナシ」と言うのは避けたい、と考え、急遽変更したのかも知れません。 歌のうまさでは、圧倒的にジョンが上ですが、この曲に関して言えば、リンゴのほのぼのとしたヴォーカルも良い味を出していて、これはこれでいい作品だと思います。

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294: Elvis Presley / Blue Suede Shoes

『ロンドン・コーリング』のジャケットには、ステージ上でベースを叩きつけるポール・シムノンの写真が使われており、パンク・ロック・アルバムを代表するジャケットとなっています。 そして、「LONDON CALLING」の文字は、1956年3月にリリースされた「キング・オブ・ロックンロール」エルヴィス・プレスリーの歴史的デビューアルバムのデザインを、配色・書体も含めて、そのまま拝借しています。 このアルバムのオープニングを飾ったのは、「キング・オブ・ロカビリー」カール・パーキンス作のこの曲でした。 元々パーキンスのヴァージョンは、US2位、さらにカントリーチャートではナンバー1となる大ヒット曲でした。 一方、プレスリーのカヴァー・ヴァージョンはUS20位と、チャートアクションではパーキンスに軍配が上がる結果となっています。 ただ、当時のプレスリーは4枚のシングルを立て続けにナンバー1に送り込み、旋風を巻き起こしていた真っ最中。 テレビ番組でこの曲を披露するや、大きな反響を巻き起こし「ブルー・スエード・シューズと言えばエルヴィス」というイメージを確立させました。 メディアの影響力をうまく利用したミュージシャンが、後世まで名を残す存在になるというのは、65年前から変わっていないということなのでしょう。

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293: The Clash / Train In Vain (Stand By Me)

パンク・ロック・バンドは、比較的短命で終わることが多いですが、その原因の1つとして、基本的に演奏力が高くないため、サウンドがマンネリ化しやすく、飽きられるのが早い、という理由があると思います。 まあ、パンク・バンドにテクニカルさを求めるべきではないのかも知れませんが... そんな中にあって、ザ・クラッシュは、レゲエ、ロカビリー、スカ、R&B等々、様々なジャンルの音楽を取り込みながら活動を続けていきました。 それが出来たのは、元はジャズ・ドラマーであったトッパー・ヒードンの確かな技術があったことが大きいように思います。 3枚目のアルバム『ロンドン・コーリング』収録のこの曲におけるヒードンのドラムは、機械のように正確なビートと、小節の終わりに入るオープン・ハイハットが印象的で、後のロック・ドラマーに与えた影響も大きいと思われます。 彼がオーディションで加入していなければ、2ndアルバムは「1stの二番煎じ」になっていたかも知れず、もしかすると、名盤『ロンドン・コーリング』は誕生していなかったのかも知れません。 そう考えれると、ヒードンの加入がロンドンパンクの歴史を変えたと言えるかもしれません。 ちなみに、この曲、元々アルバムに収録する予定ではなく、音楽誌『ニュー・ミュージカル・エクスプレス』付録のプロモーション用ソノシートになる予定でした。しかし、その企画が無くなったため、急遽、アルバムに収録されることとなりました。 そんな経緯から、当初はジャケットに曲名が書かれておらず、「隠しトラック」という扱いを受けることになったという面白いエピソードがあります。

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292: The Clash / Stay Free

ザ・クラッシュの代表作と言えば、パンク全開のデビューアルバム『白い暴動』か、音楽的バラエティに富んだ2枚組『ロンドン・コーリング』を挙げる人が多いと思います。 その結果、どうしても陰に隠れがちなのが、この2nd『動乱(獣を野に放て)』ですが、楽曲のクオリティは前述の2作にひけを取らない名作だと思います。 ザ・クラッシュのリード・ヴォーカルは、大多数がジョー・ストラマーですが、このアルバム収録曲の中で、唯一ミック・ジョーンズがリード・ヴォーカルを取るのがこの曲。 シングルヒットしたわけではありませんが、ザ・クラッシュの個人的ベスト盤を作るなら、間違いなく収録する、大好きな曲です。 友人とヤンチャしていた若き頃を回想し、最後に「自由でいろよ」とエールを送る。どこまでが実話で、どこからが創作かは分かりませんが、切ない歌詞が心に残ります。 こういう曲には、ストラマーの低く野太い声よりも、ジョーンズの高くか細い声の方が合っていますね。

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291: The Clash / Guns On The Roof

曲を聴いて「あれ、昨日と同じ曲じゃない?」と思った方。 「正解」です(笑)。 ザ・クラッシュの2ndアルバム『動乱(獣を野に放て)』に収録されたこの曲、ギターリフが、「アイ・キャント・エクスプレイン」のまんまパクリです。 世の中、よく似た曲と言うのは多いですが、ここまであからさまなのは珍しいかも知れません。 ザ・フーのオリジナル自体も、キンクスっぽいギターリフという評価を受けていたことを思うと、ある意味、これが正統派のUKロックと言えるのかも知れません。 そういえば、彼らの「1977」(シングル「白い暴動」のB面)では、「1977年には、エルヴィスもビートルズもローリング・ストーンズも必要ないんだ」と歌っていましたが、「ザ・フーやキンクスは要るんかい!」と軽くツッコミを入れたくなってしまいます。 ちなみに、意味ありげなタイトルですが、ポール・シムノン(ベース)とトッパー・ヒードン(ドラムス)が、ビルの屋上から鳩を空気銃で撃っていたら、警官に逮捕されて罰金を払わされたという、何ともトホホな出来事が曲のヒントになっているようです。

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290: The Who / I Can't Explain

ピンク・フロイドの「シー・エミリー・プレイ」は、いろいろなアーティストがカヴァーしていますが、最も有名なのは、デヴィッド・ボウイのヴァージョンでしょうか。 1973年にリリースされたアルバム『ピンナップス』は、ボウイ唯一のカヴァー・アルバム。シングルヒットした有名曲から比較的マイナーな曲まで12曲が取り上げられていますが、この中に「シー・エミリー・プレイ」も収録されていました。 ここでは、『ピンナップス』収録つながりで、ザ・フーのこの曲をピックアップ。 彼らは、最初ハイ・ナンバーズ名義でデビューした後、この曲でザ・フーとして再デビューします。そして、この曲がUK8位のヒットとなったことで、このバンド名での活動が続いていくこととなります。 コーラスにはジ・アイヴィー・リーグが参加しており、さらにリズム・ギターでジミー・ペイジも参加しているという、密かに豪華なメンバー構成です。 それはそうと、もしこの曲が売れていなかったら、またバンド名を変えるつもりだったのかどうか、ちょっとだけ気になります。

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289: Pink Floyd / See Emily Play

昨日も書きましたが、ハリケーン・スミスことノーマン・スミスが、プロデューサーとして世に送り出したバンドの代表格がピンク・フロイド。 ピンク・フロイドは、1967年3月にシングル「アーノルド・レーン」(UK20位)でデビュー。ただ、この曲のプロデュースはジョー・ボイドでした。 そして6月にリリースされた2枚目のシングルがこの曲でした。何とも不思議な雰囲気をもつこの曲は、UK6位と初のトップ10ヒットとなります。 さらに8月には1stアルバム『夜明けの口笛吹き』(UK6位/US131位)をリリース。11曲中8曲をシド・バレットが書いていることもあり、トリップ感あふれる幻想的なサウンドとなっており、サイケデリック・ロックの傑作の地位を確立しています。 しかし、シド・バレットは薬物中毒と精神障害により、バンド脱退を余儀なくされます。以降、バンドはよりプログレ色を強めていき、『狂気』や『ザ・ウォール』といったメガヒットを生み出すこととなります。 ピンク・フロイドの代表作と言えば、70年代の作品になるのでしょうけど、個人的には初期のサイケなサウンドの方が、より魅力を感じます。 それにしても、このMVは何がしたいのか、さっぱり分かりません...