夜咄 二夜「掛け軸」
日々是好日
にちにち これこうにち
風来樹点頭
かぜきたりて き てんとうす
日新日々新
ひあらたに ひび あらたなり
禅語の雑談です。茶室にこのお軸は滅多に掛けない。そもそもその深き教えに辿り着けない自分なのだから。
月日の良し悪しはない、良し悪しは自分の心である。心のゆとりが日々を良い日にする。良い悪いを捨て、その日一日をありのまま生きる。
風が吹けば枝や葉がなびくように囚われのない心のゆとりと行動が日々を好ましいものにする。
雲門禅師は弟子達に問いました。「これから十五日以降の心境を述べなさい」と。
だが、誰もすぐには答えられない。
すると雲門禅師は自ら即座に「日々是好日」と答えました。
この話を耳にする度に映画カサブランカのハンフリーボガード演じるリックのセリフを思い起こします。
女「昨夜はどこにいたの?」
リック「そんな昔のことは覚えてないさ」
女「今夜逢える?」
リック「そんな先のことは分からないぜ」
このお軸の意味を思いながら柄にもなく不謹慎にもニヤリとしてしまうのです。
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