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記憶の波


記憶は残照
過去は記憶の波

未来は暗闇
時は未来の風

あの日には戻れない
佇んでも進んでいる

悔やむ過去を記憶して
白い暗闇で上書きする

快速列車の日常に
何時も慣れなくて
各駅停車のワタシが
途切れてしまう

夜も朝も昼も
電池切れの時計の様に
動いては止まるの
繰り返し

昨日、足りなかった気持ちを
今日は拾い集めながら走る

残照の中で蒔いた
記憶の種が発芽する

止まった時間に
双葉と会話する

憑依するなら
破滅の太宰より
情熱の夢二が好き

止まった時間に
和歌を聴くなら

夢の胡蝶になって
爛漫な業平より
熱情の小町と話す

たわいもない移り気が
過去の世界を浮遊する

記憶を辿って
あしたを思って
詩を詠んで行く

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