高齢ろう者を描く意義「しずかちゃんとパパ」

NHKBS枠で放送されて、この夏地上波放送のあったドラマ



聞こえないパパ(鶴瓶さん)と聞こえるしずかちゃん(吉岡里帆さん)の生活の中に
割って入ってきた再開発の担当者(中島裕翔さん)
わが町が再開発の対象になることに反発する住民
パパは写真館の仕事先の小学校で、先生(木村多江さん)に恋!?



他のドラマと違うのは聾者が高齢なので
口話教育が盛んだった時代に育っているし
家族である妹(戸田恵子さん)も手話ができない

パパ自身が「伝えよう」としているから伝わっているという感じ
商店街の人たちも手話を覚えるわけじゃないけど筆談とジェスチャーと口を大きく開けることで「わかろう」としている

パパが母から受けた口話教育回想シーンだけでも意義があるなと思いました

そういう中で通訳をしながらパパと世界を「繋いであげていた」CODAの娘のしずかちゃんは
再開発の担当者の空気の読めない道永圭一と出会い、自分の考えの偏りや、蟠りが溶けていき、恋に落ちていく

最終回
しずかちゃんが「苦労」だとか「してあげてる」と思っていたことが
パパにとってどう見えていたのか

なぜパパと呼ばされていたのか
2組の恋の行方
再開発の行方
などが描かれます

一つの事実は
2人の2方向から見た真実としては違うし
第三者から見た3方向目はまた違う

それぞれが、抱えていたものを溶かして形を変えて抱えやすくしたという結末に思えました


手話はちょっと特徴的な感じ

でも
パパが全く口を動かさないのが「高齢聾者」のそれで(多分もっと速い手話するけど)

そこに繰り返して復唱する不自然な演出もなく
字幕が付いてて
そういう感じがすごくいいなとおもう

優しい世界🌍

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